一言でいえば宇佐美祐樹(鷹GC)の踏ん張りは素晴らしかった。
金庚泰(韓国)とのマッチは18ホールでも勝負がつかず、エキストラ1ホール目を両者バーディーで引き分け、2ホール目のグリーン上でも勝利の女神がどちらに微笑むか分からなかったからである。
大きなグリーンの左手前のエリアに切られたカップ位置は「お椀を伏せたようなマウンド状のアンジュレーションがあり、メンバーでもラインを読むのに苦労する」と定評のある難しい位置とか。両者、手前と左、やや等距離の3mにボールはのった。まず、金が打つとカップをオーバーしたボールがスルスルと転がる。
「距離を合わせて打つと右に流れると分かって
いましたが、自分も打ってしまいました」
と金と同じ轍を踏んでしまう。返しのパットを金が入れ、宇佐美が外した瞬間、ギャラリーの間から大きな溜息が漏れた。
「まだまだな自分がいると思いました。上には上にもっと強い人がいるのだと感じました。この後に、世界ジュニア選手権遠征が控えています。この経験を生かして個人・団体のタイトルをめざします」と言う宇佐美に、改めて彼がまだジュニアゴルファーなのだと認識を改めた。
|