各地区女子アマチュアゴルフ選手権などを勝ち抜いた総勢136人が出場する本選手権。慣れない高麗グリーンは、トップクラスの実力者にとっても、攻略が難しかった。しかし、沖縄出身で高麗芝に慣れ親しんでいる宮里美香は、「沖縄と同じ感覚でプレーできるので、非常に落ち着きます」と意に介さず、好調なパッティングで順調にスコアを伸ばし、4バーディー・2ボギーの70、2アンダーパーで単独首位に立った。
スタートの1番ホールで幸先良く2メートルのバーディーパットを沈めると、3番では「打った瞬間に入ると思った」会心のパットで8メートルのバーディーを決める。続く4番でも残り105ヤードをアプローチウェッジで3メー
トルにつけて連続バーディー。「4番のバーディーで、今日はスコアを伸ばせると思ったが、油断せずに大事にプレーしよう」と気持ちを引き締め、その後は着実にパーを積み重ねる。この日最初のピンチは9番。ティショットと3打目をバンカーに打ち込んだ宮里は、この日初めてのボギーを叩く。後半に入っても慎重なプレーを続けた宮里は、12番でボギーを叩いたものの、「耐えていれば、必ずチャンスは来る」と集中力を持続していく。迎えた16番ホール(パー3)。「ティショットを打つ前から、絶対にバーディーを獲ると強い気持ち」で放ったティショットはグリーンセンターにオン。カップまで8メートルのスライスラインを見事に沈めて、単独首位スタートを決めた。
「9番でのボギーが悔やまれるけど、それ以外は3パットも無かったし、納得のいくラウンドでした」と笑顔で単独首位に立った喜びを語った。本選手権を迎える前は、筋力トレーニングと練習場での打ち込みに重点を置いて調整を続けてきた宮里。5日間の長丁場を戦い抜く体力には、自信を持っている。しかも、「ここ数年の日本女子アマの会場の中では、一番自分に合っているコースだと思う」とコーストの相性も感じている。3年ぶり2度目の戴冠に向け、実力者が本領を発揮したラウンドだった。
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