ゴルフが誕生した時から、競技は長い間マッチプレーで行われてきた。目の前の対戦相手と1ホール毎に決着をつけるマッチプレーは、非情な闘いでもあり、ゴルフの原点でもある。現在では、ストロークプレーが中心で、出場選手もマッチプレーの経験は殆ど積んでいないが、その楽しみと醍醐味を味わい、「負けて悔いなし」と言葉を揃えた。
クオリファイングラウンドで2位入賞の森美穂は、1回戦で南雲貴菜と対戦。両者1アップ以上の差をつけない息詰まる熱戦は、エキストラホールに持ち込まれた。マッチプレーの緊張感と長い闘いの末に体力を消耗した森は、通算22ホール目についに力尽きた。「負けて悔い無し。楽しかったです。目の前に
対戦相手がいるので、精一杯攻めていけました。一進一退の攻防が出来て、満足です…でも、勝ちたかった。悔しいです」森は、中学3年生ながら中部女子パブリック優勝など輝かしい実績を誇り「チーム・ジャパン・ジュニア」メンバーにも選考されている将来が期待される選手。この経験が、さらに森を成長させるだろう。
ナショナルチームメンバーの斉藤愛璃は、1回戦の平山歩を4アンド3で退け、2回戦は綾田紘子とのマッチアップ。斉藤と綾田のマッチも両者ゆずらない大接戦となった。特に12番ホール以降は“取りつ取られつ”の展開で、18番を終えてオールスクウェア。エキストラホール2ホール目を綾田に取られ、準決勝進出を目の前にして涙を飲んだ。「まだまだです。全力は尽くしましたけど…。一週間前まで出場を取り止めようかと思うほど、調子が悪かった。ここまで調整できたことには満足しています。ベスト16という成績をきっかけにして調子を上げていきたいです」
|