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競技報告
【初の大学生チャンピオン綾田紘子】
第5日 競技報告:武藤一彦 写真:GARY KOBAYASHI
綾田ファミリー
熱戦は38ホールで決着
迎えた38ホール目、2番パー5のグリーン上、カップまで3メートルにふたつボールが並んだ。カップ上に綾田、その右横に酒井のボール。里深真弓レフェリーがカップまでわずかに遠い綾田に先に打つ指示をだす。ゴルフは遠球先打が鉄則。どちらが先に打つかは勝敗を左右するマッチプレーでは重要な場面だった。

綾田は慎重にラインを読むとまん中からバーディーパット決めた。「3メートル、スライスライン、カップ左を狙って打った。ジャストタッチで入った」という。入った瞬間、顔を両手で覆った。歓声があがり、涙を拭った。相手の酒井は追い込まれた。わずかなスライスラインだった。だが、ボールはカップの前で右に切れて止まった。
綾田紘子
本大会初のエキストラホール、最長38ホール、長い戦いは終わった。
史上まれにみる好勝負だった。

綾田が3・4・9番を取り3アップとリード、インに入ると酒井が巻き返し15番で追いつき、16番パー3でピン30センチにつけるバーディーで逆に1アップと前半を終了。午後は両者、調子を上げたが流れは酒井、25ホールでセカンドショットをピタリとつける”オーケーバーディー”で3アップとした。

しかし、綾田が2ダウンで迎えた33ホール目の15番ホール、酒井がバンカーに入れ、ボギーでその差1ダウン。ダウンドーミーとなった35ホール目の17番ではラフからのショットを3メートルにつけバーディーでオールスクエア。試合は振り出しに戻った。

延長戦。その1ホール目、信じられないことが起こった。綾田は手前からのアプローチを6メートルオーバー。パットも逃し敗戦を覚悟した。だが、未曾有の出来事が酒井の上に起こる。5メートルのバーディーパット。パーなら優勝という大事なパットは強く打ちすぎ2メートル目標オーバーすると酒井は返しもはずす3パットで天を仰いだ。父親でキャディーを務める正孝さんは「バーディーを狙わせた。パットに不安があったのでしっかり打たそうとした、失敗でした」ホールアウト後うなだれたが、勝負の行方は完全に変わった。38ホール、生き返った綾田のバーディーへとつながった。

「苦しい試合、疲労もピーク。勝ちたい一心が支えだった。うれしい、神様はいた。ラッキーはあるんだ」綾田は興奮を隠さなかった。高校生ばかりか中学生のチャンピオンもうまれ若返り急な女子ゴルフ界。大学生はベテラン、という雰囲気すらあったが、大学生がついにタイトルを取った。法政大学2年生。大会出場2年目、プレーオフで14人中4人の狭き門をようやくくぐりぬけてのマッチプレーではい上がっての優勝だ。たどったホール数112ホールは過去の最多ホール数105(01年、井芹美保子)を上回った。

19歳は同世代でプロ入りした上田桃子、原江里菜と同期「これでちょっと優越感。よくやった、よーし待ってろよという感じです」笑顔を見せた。
「人生が一気に変わった。プロになりたいという思いが強くなった。あと1年、しっかりやって来年にはテストを受けるかもしれませんね」キャディを務め最終日は応援の父、裕次郎さん。その父と母・夕子さんに囲まれた”偉大な娘”は何よりも大切な家族とじっくり将来を話し合いたいと言った。次の目標は?と聞かれると日本女子学生選手権(8月)と言った。日本一のタイトルホルダーが大学生日本一を目指す。勝てば日本2冠である。ぜひ達成してほしい。

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