1日目が1,036人、2日目が1,641人のギャラリーが押し寄せたのは、石川遼ひとりがお目当てだった“ハニカミ王子”効果だったろう。
しかし、この日の石川は絶対の自信があった“100点満点”のドライバーショットが曲がって、大苦戦。「ちょっとしたミスが重い1打になることを知りました」とうつむいた。
“攻撃型ゴルフはカッコ良い!”というアグレッシブなプレーが裏目に出たのかもしれない。300ヤード台の短いパー4が5ホールあり、2オン可能なパー5ホールが6ホールある愛知CC東山は井上誠一の戦略型設計コースとして知られる。“戦略型”とはパワーだけではなく、頭脳的なプレーによる技も求めているわけだ。2
日間、一緒のペアリングでラウンドした永野竜太郎が1番ホールから3番ウッドでレイアップ(刻み)作戦に徹したのに対し、「永野選手は永野選手の攻め方がありますが、僕には僕の攻めるプレースタイルを変えたくないのです」ときっぱりいい切る。
ギャラリーを引き連れてスタートした2番ホールでバーディーを取り、通算4アンダーパーにのばしたまでは快調だったが、直後の3番パー5の第2打が下降線を辿るキッカケになった。ラフから3番ウッドで2オン狙いしたショットが30ヤードしか進まない大ミス。このショックからボギーを叩き、悪い予感が頭を横切ったに違いない。6番ホール(336ヤード・パー4)で放ったドライバーショットが右にプッシュアウト、池を越すOBとなってしまう。結局、打ち直しのダブルボギーとなった。その後も2つのボギーで、アウト41の1オーバーパーに後退。
「それでも、最後まで真剣にプレーしました。プレー後にカットラインに4打も足りないことを知って、ショックでした」と通算2オーバーパーのスコアに、今にも泣き出しそうな表情で語った。
日本アマ史上、初のテレビ中継のあった大会から、石川遼の姿が消えた明日からのマッチプレーが静かな大会になることは間違いないだろう。
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