昨年大会12位タイの小池一平(山梨学院大4年)と本選手権初出場の恩田脩平(東北福祉大4年)、昨年大会カットに終わった岡部大輔(東北福祉大2年)の3人が日本学生の第1ラウンドで首位に1打差の3位タイにつけた。
小池は、前半10番をバーディー、11番でボギーと落ち着かないスタートとなった。13番で再び5メートルを沈めてアンダーパーになったものの、17番でボギー、18番バーディーを出入りの激しいプレーとなった。しかし、後半は一転。無難にパーをセーブし続けて迎えた5番で1メートルのバーディーパットを決めると、最終9番もバーディーで締めくくり、5バーディー・2ボギー69。距離が短い北六甲カントリー
倶楽部・東コースの印象を「自分のゴルフに合っている」と話す小池。「落としどころが狭いホールや池が絡むところでは、ティショットを2番アイアンで打ちました」という作戦も、このヤーデージなら2打目の残り距離が短く、ショートアイアンを手に出来るからこそ。最後の日本学生で「昨年の雪辱を果たす」意気込みで臨んだ第1ラウンドで好スタートを切った小池は、満足げな顔を見せながら、「今日は4つあるパー5で1バーディーしか獲れなかったことが悔しい」と貪欲だ。「明日も今日のようなスコアでプレーしたい。1日ずつ、良いスコアでホールアウトできるように…」それが、できれば昨年の雪辱が果たされる。
恩田は、スタートの1番ホールでフェアウェーからの2打目をグリーン奥にこぼし、いきなりボギーを叩いたが、「残りは17ホール。チャンスは来ると思って焦らなかったし、自分は耐えるゴルフが身上なので」と冷静さを保ち、プレーを続ける。キーポイントとなったのは8番パー3。「このホールのパーセーブが大きかった」という恩田は、ティショットを左の木に当てて、球はグリーン手前のバンカーに。このリカバリーショットもピンから8メートルと、ボギーのピンチだったが、慎重にパーをセーブして、流れを引き戻した。10番では残り260ヤードの2打目を3番ウッドで見事に2オン。会心のイーグルを奪うと、12番ではグリーンカラーから10メートルのバーディーパットを沈める。最終18番でも110ヤードの2打目をピッチングウェッジで1.5メートルにつけて、バーディーフィニッシュだ。恩田は、最終学年にして初の日本学生出場を果たした。明徳義塾高校在学中は、全国高等学校ゴルフ連盟の日本代表にも選ばれた逸材は、東北福祉大進学後、選手層の厚さに苦しめられ、本来の実力を発揮する場をなかなか手中におさめることができずにいた。ようやく、最高の舞台に立てたのは、大学最後の年。それだけに、結果を残したい。
昨年大会でカットの憂き目にあった岡部も本年、リベンジを狙う。大会前に首を痛めて療養に努めた岡部は、昨日の練習ラウンドで5日ぶりにクラブを握ったという。その時は、「自分のイメージ通りのスウィングができなくて、全然ダメ」という状態。不安で一杯の中で第1ラウンドをスタートしたが、その思いは杞憂に終わった。2番でピッチングウェッジで打った残り130ヤードの2打目を1メートルにつけてバーディーが先行すると、「正直ホッとした」。しかし、7番パー3で思わぬ事態が起こる。ティショットの左のバンカーに打ち込んだ岡部は、球がバンカーの縁についてバックスウィングが上手くとれない状態に。しかたなく、同じバンカー内に2打目を打ち、3オンしたものの2パットのダブルボギー。直後の8番は1メートルを沈めてバーディーと、出入りの激しい前半のプレーとなった。それでも、「ホールが進むにつれて、徐々に感覚が戻ってきた」岡部は、後半10番で5メートル、14番2.5メートル、15番で3メートルと3ホールでバーディーを決め、終わってみれば、6バーディー・1ボギー・1ダブルボギー69で3位タイの好位置で第1ラウンドを終えた。
「後半は、パーセーブのホールも2メートルのチャンスを外したもの。特に16番はスライスラインと読んだ下り30センチのバーディーパットが、フックしてパー。もう2ストロークは伸ばせていた」と不満顔。昨年は、1打足りず無念のカットに終わっているだけに、本年はその借りを返したいと意気込む。ここはバーディーが獲れるコース。攻めるところと守るホールをしっかり決めて、メリハリをつけたプレーを心がけたい。明日も69を目標にします」
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