完璧なプレーだった。斉藤智洋(名古屋商大1年)が8バーディー・ノーボギーの64をマーク。コースレコードを2打更新する出色の出来で、通算7アンダーパー。28位タイから一気に3位に順位を上げた。前半は1番で2メートルのバーディーを決める。「2日間、スタートホールでバーディーを獲っている。自分はスタートを大事にしているので、気持ち良くプレーできた」という。6番では得意のアプローチでチップインバーディーの34。斉藤が爆発的なスコアを叩きだしたのは、後半。10番で2メートルを決めると、11番2メートル、12番3メートルを「自分でも面白いように」ことごとく沈めて、3連続バーディー。流れを掴んだ斉藤は、14番で3メートル、16、17番を連続バーディーで締めくくった。得意のアプローチとパットが冴え、「日本学生の前はショットの調子が悪くて。練習でも復調の気配はないのですが、コースに出ると、許容範囲のミスで済んでいます」という斉藤。スコアを伸ばした後半も「1ホール1ホールに集中していただけで、意外と冷静でした」と、どこか他人事のよう。それもそのはずで、斉藤自身のベストスコアは67。自分の快挙を実感したのは、ホールアウト後にインタビューを受けているときだった。愛知県出身の斉藤は、栄徳高校在学中に全国高等学校ゴルフ選手権で21位タイ、地元の名古屋商大進学後は、初出場の中部学生で11位タイの成績を残しているが、「優勝争いをした経験はない」。名古屋商科大は、シニア入りした現在でもトップアマチュアとして活躍を続けている阪田哲男氏の出身校として有名だが、本選手権では、1986年大会の伊藤嘉浩、2003年大会の上井邦浩の2位が最高順位。明日の最終ラウンドは、名古屋商大としての初優勝の期待もかかるが、「今までは緊張もしなかったけど、明日は変わるでしょうね。明日も、もちろん良いスコアでホールアウトしたいけど、第一目標は、在学する大学の中でトップの成績を残すこと」と、謙虚に語った。
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