本選手権をリードしてきた小池一平(山梨学院大4年)は、同組でプレーする中道と最後まで優勝争いを演じたが、1打差2位と涙を飲んだ。
1番パー5。2打目が左斜面のラフに打ち込んだ小池は、つま先上がりの難しいライからの3打目をピン手前6メートルにオン。このパットを慎重に沈めてバーディーを奪い、ライバル達に先制パンチを浴びせた。直後の2番は、左バンカーからの3打目を上手く寄せたが、パーパットを外してボギー。続く3番でピン奥4メートルを決めてバーディー。スコアは乱高下したが、安定したショットと好調なパットで、パープレーを続ける中道に2打差をつけて前半を終えた。
後半、中道との差は1ストローク
になったものの小池の調子から、そのまま逃げ切るかと思われた。しかし、勝負の神様は気まぐれだ。14番パー4。「中道選手が1打差でついてきたけれど、全く意識はしていなかった」という小池だが、一歩ずつ近づく初優勝への道が緊張を生んだのか、これまで安定していたショットが突然乱れる。左にひっかけたティショットは、木に当たり、OBへと消えていった。小池はこのホール、痛恨のダブルボギー。1打差をつけていた中道が、このホールでバーディーを奪い、逆転を許す。
この後、小池は、16、17番で連続バーディーを奪い、中道の後を1打差で追う。そして迎えた、最終18番。フェアウェーセンターからピン右奥10メートルに2オンした小池は、このパットを80センチ寄せたが、中道が1.5メートルのパーパットを慎重に沈めて、熱く静かな闘いに終止符が打たれた。小池は、この日4バーディー・2ボギー・1ダブルボギーのパープレーに終わり、1打差の2位と昨年の雪辱はならなかった。「逆転されてからの残り4ホールは、追いつこうと必死に攻めましたが…。でも、4日間自分の良いところを全て出せた。納得がいく、悔いのない試合でした」と、爽やかな笑顔を見せて、会場を後にした。
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