本選手権を牽引してきた杵鞭謙二(東北福祉大2年)は73、昨日コースレコードの64をマークして3位の好位置で最終ラウンドをスタートした斉藤智洋(名古屋商大1年)も75とスコアを崩し、初優勝の夢ははかなく消えた。
杵鞭は、前半1バーディー・1ボギーと粘りのゴルフを見せていたが、勝負ところの終盤、16番で3パットのボギー。続く17番では2打目をシャンクするミスで連続ボギーを叩いてしまった。「上位でのスタートでしたが、緊張はしませんでした。終始、平常心でプレーしていたんですが、最後に…」と、悔しさを滲ませた。
斉藤は、「一番、大事にしている」というスタートホールで1.5メートルのバーディー
チャンスを迎える。「緊張はしていなかった」というが、このパットは無情にもホールの左をすり抜けて、パー発進。3日間続けていたバーディースタートが途切れると、徐々に得意のパットに狂いが生じ始める。5番で12メートルから3パットのミスを犯し、ボギーが先行すると、8番ではティショットを左に曲げてあわやOBというミスショット。奇跡的にOBは免れたが、2打目をシャンクして、このホールもボギーとしてしまう。それでも、後半は優勝争いをする小池と中道の間で懸命のパーセーブを続けてみせた。緊張の糸が切れたのか17番でボギーを打ち、通算4アンダーパーで11位タイに終わったが、自身初の優勝争いの中で見せたプレーは将来の活躍を期待させるものだった。
「この結果は、しょうがないと言えば、しょうがない。得意のパットがボロボロでは、仕方ありません。まだ次のチャンスはあると思う。この経験を活かしたい」斉藤に残されている時間は3年間。名古屋商大悲願の日本学生初優勝に向け、斉藤の挑戦の日々が始まる。
|