第1ラウンドが3バーディー・2ボギーの71、この日も3バーディー・2ボギーの71とスコアを並べた不動裕理が首位グループに浮上。明日3日目にはプロ入り3年目の諸見里しのぶと10年目の不動とのペアリングで最終組をまわることになった。その差は4ストローク。ツアー42勝の不動に対し、1勝だけながらコンスタントに賞金を稼いでいる諸見里がどう対抗するか、興味つきない顔合わせが実現した。
この日の不動は後半のスタートで、11時ジャストにアウトから出たのだが、1番でいきなり5メートルを沈めるバーディー。7番でも3メートルを入れるが、9番のアプローチミスで帳消しにして、アウトは1アンダーパーの35。インにター
ンしてパープレーが続き、15番で8メートルの距離から3パットした直後だった。朝からの雨も上がり、曇り空だった上空に暗雲が生まれ、突然、10メートルを越す強風と雨がコースを覆ったのだ。北海道、樽前山の山麓にあるコースは洋芝だし、まるでスコットランドのリンクス的コースとの前評判だったが、その上にスコットランドの天候までが襲って来たのだ。午後3時、不動が16番ホールをプレー中だった。そこをパーで通過、17番のパー3も2メートルのパーパットを残すというピンチも冷静に決めた。クラブハウスへ戻る3ホールが西から東へ向かうので、西北西の風が大フォローになる。そんな風の中、不動は1打、2打ともフェアウェイをキープ、第3打で残り90ヤードをサンドウェッジで4メートルにつけたのだ。この日の18番ピン位置は左エッジから8ヤードで、バンカー越えだったが、その右手前にコントロールされたボールを止め、そこから1発で沈めるフィニッシュ。見事なフィナーレにギャラリーの拍手が湧いた。
しかし、試合後のインタビューで、不動が「この程度の風や雨は普通だと思う。ショットのラインをイメージし難いだけです」と涼しい顔でいうのだから、歴戦の勇士は違うものだ。世界を相手に難コースで戦って来た経験がいわせるセリフなのだろう。
ともあれ、決勝ラウンドが面白くなったと、誰しも思う結果に違いない。
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