ジャン ジョン中心の大会だ。欧米仕様のベント芝、ベントグリーンの北海道・樽前カントリークラブ。 米ツアーを主戦場とするジャンには2連覇に向けた格好の舞台だ。 米LPGAツアーで今季は優勝こそないが、8月最終週を終わって賞金ランキング10位、ワールドランキング13位だ。 米ツアー8年目のキャリアは出場選手の中でナンバーワン、そのしたたかさで誰にも引けをとらない。
韓国ナショナルチームのトップアマチュアとして活躍、18歳で米ツアーを目指したが、その最初の試合、ハワイ州ハワイ島で行われた武富士クラシックではアメリカで戦うか、日本に拠点を置くか迷っていた。「日本で出場できる試合がないものだろうか?」相談を受けたことを附記しておこう、身長155センチと小柄でパワーの面で引け目があったチャンの人生の岐路。05年、全英女子オープンに勝ち06年伝統のウエグマンLPGA選手権の30回記念大会も制し、その年の日本女子オープンでの圧勝である。トレーナーをつけメンタルコーチもいる。強い韓国の中心選手として、もはや体格の不安など微塵も口にしなくなった。
全面洋芝の樽前はフランチャイズのアメリカと同じ環境である。コースは大地・北海道らしく広く茫洋としているが、フェアウェーは20ヤードをきる狭い設定となるはずだ。広いコースに狭い設定。当然、ラフが迫り、ボールの落としどころは、蛇行する最近のスタイルになる。ジャンは思う存分力を発揮するだろう。アメリカから直前に乗り込んでくるが、その対応力も見ものだ。
宮里藍が欠場して日本ツアーで活躍する選手たちへの注目度が高まる。今シーズンは好ゲームが多いシーズンとなった。上田桃子、佐伯三貴は日本女子の面目をしっかりと守った。
上田は4戦目のライフカードレディス(熊本空港)で優勝、プロ初優勝を地元で飾った。2勝目は11戦目リゾートトラストレディス(グランディ那須白河)では不動裕理とのサドンデスプレーオフ、3ホールで打ち勝った。3勝目はスタンレーレディス(東名)。横峯さくら、有村智恵と3人プレーオフを制した。シーズン通してむらなく3勝である。勝運も背負って勢いがある。