3ラウンド目にしてやっと60台のスコア、4アンダーパー・68をマークしたジャン ジョンの表情が明るくなった。100ヤード以内のアプローチショットがことごとく10ヤードほどショートする距離感の狂いを昨日のラウンド後の練習で修正した。その結果、3ラウンドで8ホールプレーしたパー5で初めてバーディーをモノにしたことで、修正が正しかったことを証明したのだ。12番ホール、70ヤードの第3打を56度のウェッジで90センチにつける見事なショットだった。
ジャンはバッグに3本のウェッジを入れている。52度では100ヤード、56度では90ヤード、60度で80ヤードを打つのが普段の米ツアーでの距離感とか。しかし
、北海道の高原コースでは「なぜか10ヤードずつショートする。私にも理由が分からない」と己の不甲斐なさに暗い顔をしていたのは昨日まで。そこで、今日は「1クラブ上げて、80ヤードを56度のウェッジで打つようにしました」と修正内容を明かしてくれた。
アウトで1バーディー・1ボギー。インに入って10番、4番ウッドを90センチにつけるバーディーを取ると12番、14番、17番とたて続けにバーディーを量産。終わってみれば4バーディー・ノーボギーの32。ついに、ジャンはエンジンにキーを差込み、エンジン音を響かせたのである。
今シーズン優勝がないことから、「ここで失うモノはなにもないわ」と開き直りとも思える宣言をしているジャンだけに、明日の最終ラウンドがどんなドラマ展開になるか楽しみになった。ともに通算3アンダーパーの佐伯三貴とのペアリングで、最終1組前をラウンドするのだが、先行組でいいプレーをして、後ろのリーダーたちにプレッシャーをかけたい。「今の私は良いポジションにいると思う」と笑いながら言うが、一瞬後には真剣な顔つきになった。
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