後半に進出したアマチュア選手は5名。そして、最終ラウンドを迎えた時点で栄誉あるローアマチュアに最も近い位置にいたのは大和笑莉奈の4オーバーパー19位タイ。その1打差に森田里香子、酒井美紀の5オーバーパー、22位タイが続くという展開で、この3人の争いに事実上絞られたようなものだった。残りの2人、森桜子(2006年日本女子アマチャンピオン)と宮里美香(2004年日本女子アマチャンピオン)はともに13オーバーパー、57位タイで、すでにこのタイトルからは遠ざかっていたからである。
最終ラウンドで激しいスコアの出入りを見せたのは16歳の大型プレーヤーの酒井。1番でショートアプローチのミスでボギーを叩く
と、6番バーディで取り返すが、7、8番を連続ボギーに。しかし、9番パー5ホールを取ってアウト1オーバーパーの37、通算6オーバーパーだ。インへ入ってもスクランブルゴルフは止まらず、11番をダブルボギーにしたが、12、14番でバーディーを取る勢い。この時点で、3組後方にいる森田理香子と6オーバーパーで並んだのだ。森田もアウトはパープレー、10番でボギーを打っていたからである。大和選手はアウト2オーバーパーの後、11番から3連続ボギーで、圏外に去っていたので、森田と酒井の2選手に栄冠の行く方は絞られたのだ。
しかし、出入りの激しいゴルフをする酒井に破綻が来るのは時間の問題だった。トラブルがトラブルを呼んでしまうと収拾がつかなくなるからだろう。16番からの3ホールで4打スコアを落とした酒井が通算10オーバーパー。その後からパーを着実に重ねた森田が18番で第3打を80センチにつけるナイスアプローチで、この日パープレー。通算5オーバーを保持した結果のローアマチュアだった。
「昨年大会では5打差で、若林舞衣子さんにローアマチュアをさらわれたので、今年は本当に獲りたかった。耐える必要がある難コースで、耐えるプレーが出来て嬉しい」と京都学園高校3年、17歳の童顔がほころんだ。来年には女子プロテスト受験をめざしているが、「その前に日本女子アマチュア選手権のタイトルを狙いたい」と決意を語った。
ドライバーの飛距離が250から260ヤードと飛び始めたのは「最近、3キロほど体重が増えましたから…」という時だけ、恥らう表情だった。
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