10番ホールからスタートのミッドシニア。スタートから苦戦を強いられる選手が多く見られる中、首位に立った小林はいきなり7メートルのフックラインを沈めてバーディー発進を切った。本選手権初出場の小林は、このバーディーで緊張から解き放たれ「気楽になった」というとおり、前半で一気にスコアを伸ばす。15番では2メートル、16番で残り138ヤードの2打目を8番アイアンで2メートルにつけて連続バーディー。17番こそボギーを打ったが、18番でも50ヤードの3打目をピンに絡ませてバーディーと、33でハーフターン。このまま後半もバーディーを奪うかと思われたが、難しいグリーンに手こずり、1バーディー・1ボギーの36。
「2日間の練習ラウンドでは、どちらも2オーバーパー。今日もそれぐらいのスコアで回れれば…」と思っていた小林にとっては、このスコアは出色の出来だろう。ショートアイアンに冴えを見せた小林は、「計算通り」4つのパー5で3ストロークスコアを伸ばして、満足げ。しかし、唯一、不満が残るのは各選手も苦しめられたパッティング。「グリーンに細かなアンジュレーションがあって、なかなか傾斜を読み切れない。曲がらないと思って、真っ直ぐに打つとホールの手前で曲がるし…自分の読み通りに打てているのに、決められない」と、もどかしさも覗かせる。小林は28歳でゴルフを始めたものの、全国大会に出場するのは初めて。その選手権で、いきなりの首位スタートに「喜び半分。戸惑い半分」と本音を語る。「明日は平常心でプレーできれば。目の前のホールでパーをセーブすることに集中したい」と話すが、「まず、今夜ゆっくり眠れるかどうか…」と、明日に向けて早くもプレッシャーを感じていた。
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