明け方から降り出した秋雨がコースを濡らし、グリーンも柔らかくなってコンディションが前日とは一変した。「ラフからでもグリーン上でボールが止まる。ミドルアイアンでも7~8ヤードで止まるので、今日は誰でもいいスコアが出ると思いました」と他の選手の動静を推測する髙橋勝成は日本オープンゴルフ選手権競技でテレビ解説した経験モードのまま、この試合に挑んでいる雰囲気。
しかし、本人のゴルフはというと安定感抜群で、インスタートの9ホールで1バーディー。アウトにターンして3番(200ヤード・パー3)、4年ほど前から使用中の武器、9番ウッドで6メートルにつけ、バーディー。5、6番も連取した直後の7番で3パット
のボギーがあったものの、アウトは2アンダーパーにまとめ、この日3アンダーパーの69。2日間で6アンダーパーは室田に4打差の単独2位を確保した。
後続組の室田がぐいぐいとスコアを伸ばすのをスコアボードで見ても、「9という数字に“来てる、来てる!”と思っただけ」と冷静なのだ。「まだ2日あるし、ライバルのことより決勝ラウンドになってどんなシビアなホールロケーションになるかが怖い」と笑った。ナショナルオープンらしいコースセッティングとして、シニア選手だけにラフを延ばし、グリーンを硬く速くはしていない。その分、旗の位置がグリーンのはし端に寄せる設定で、髙橋はそれを“怖い”というのだ。この日も左右のグリーンエッジから10ヤード以内に旗が立つホールが16ホールに及ぶのだから。
「2ラウンド終えて、8アンダーパーが理想でしたが、明日からはそうそうスコアは伸びないでしょうから」と己の位置に満足風だった。
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