2007年度(第17回)日本シニアオープンゴルフ選手権競技
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歴戦の選手が紡ぎ出す名勝負、「火の国」熊本で中嶋が3年連続で優勝杯を手にするのか
中嶋常幸
今年のシニアツアーは2強、いや、4強と言われる。さらに誰が勝ってもおかしくない戦国時代、という声もある。2強 説は昨年の中嶋の圧倒的強さが背景である。5月、「日本プロシニア選手権」に勝ち、アマプロ通じて日本と名のつく8つのタイトルをすべて手にした。日本アマ選手権、日本オープンなど伝統のタイトル総なめの、あの快挙である。

中嶋は10月の「日本シニアオープン」ではその達成感の中、室田淳との息詰まる熱戦を制した。だが、シニアの試合をシニアが制した、当たり前のことが当たり前に行われて誰もその価値がわからなかった。そのすごさ、価値が一気に噴出したのは秋、レギュラーツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝して変わった。52歳のシニアが若いバリバリの現役を一蹴した。“シニアはすごいぞ”“中嶋はばけものだ”。

シーズンが終わって中嶋は「太平洋の勝ちもすごいことだが、僕の中では室田君との激戦を勝った日本シニアオープンの方が価値観がある。展開、状況、プレッシャーの中、生涯で誇れる内容の良いプレーをした」と振り返ると、突然、室田の存在価値もあがった。06年末、室田がシニアツアー賞金王に坐るとさらに位置づけは上昇した。2強説の根強い定着、いまもその流れは強烈である。
室田淳
4強説は今シーズンの現実からの素直な見方である。開幕戦の「アデランスウェルネスオープン」は 橋勝成。「ファンケルクラシック」は室田が2連覇した。「日本プロシニア選手権」は尾崎健夫がついにメジャー初制覇を飾った。そしてツアー最高の1億円トーナメント「PGA Handa Cupフィランスロピートーナメント」は友利勝良だ。今年の傾向は大会ごとにチャンピオンがかわるめまぐるしい展開。しかし、中嶋を抜きで語れないところに群雄割拠する戦国時代が想起されるという図式である。

大会の歴史を見ると1991年、第1回大会が埼玉・鳩山CCで日本ゴルフ協会と日本プロゴルフ協会の共催で行われ金井清一が3連覇、94年の第4回大会には米チャンピオンズツアーを主戦場にした青木功がようやく出場してくると4年連続でタイトルをさらった。98年、主催は日本ゴルフ協会に絞られ豪州のグラハム・マーシュが2連覇する。シニアのピークは長い。9年で3人しかチャンピオンが変わらない。このながれは2000年、 橋勝成、01年小林富士夫、02年福沢孝秋と変化が生じ始めるかと思われたが、 橋が奮起、03年、04年とタイトルを連取、3度目のタイトルをさらうとこの2年中嶋がタイトルを守って“天下”を取っている。
中嶋の3連覇はなるのか。

今回ほど予測のむずかしいことはない、といわざるをえない。
高橋勝成 尾崎健夫
大会のちょうど2ヶ月前の8月30日、中嶋は開催コースを訪れている。ディフェンディングチャンピオンとして開催コースでのメディアデーに参加したのだ。1ラウンドをまわりメディアの取材に応じ、コース関係者とじっくり懇談した。くまもと中央カントリークラブは中嶋の飛距離を見、アプローチショットのクラブを確認し、バンカーの位置、ラフの深さ、グリーンの速さ、堅さのメドを探った。中嶋もまた2ヵ月後の戦いの場、自らの勝負のときを探る、緊張の一日である。

コースはティーインググランドの芝の刈り高10ミリ、フェアウェイの刈り高は13ミリ、幅は狭いところで20ヤード、広くて25ヤード。ラフは一番深いところで80ミリ。そのフェアウェイ側に幅1.8mのセミラフが刈り高30ミリで作られる。数字だけではわかるまい。このセッティングのコースをティーインググラウンドから眺めやるとフェアウェイは細い小川のようにしか見えない。“どこに打てば良いのか絶望的になる狭さ”シニア日本一を決める大会はこうして年々、タフさ、難しさを増長させている。

さらにグリーンには微妙なアンジュレーションがある。グリーンの速さは10フィート、コンパクションは12とのもくろみが発表された。これに風、乾き、ピン位置の傾斜が加わるといかようにも難しさは変化する設定だ。雨、強風そして熊本特有の何かもきっとある筈だ。上田治設計、バンカーはグリーンから少し離れて作られているといわれる。距離の合いにくい、最も難しいといわれるいわゆる“遠いバンカーショット”もプレーヤーの悩みのタネとなるだろう。
友利勝良
当日の記者会見で野村惇・競技委員長はいった。「4日間8アンダーパーから10アンダーパーのスコアを想定している。グリーンはいくら速くしても最近の選手のみなさんはすぐ対応します。今回はグリーンの硬さとラフの深さで中嶋さんをギャフンといわせたい」グリーン上、ピンの位置しだいでスコアは変わってくる。「選手には1、2日目には良いスコアを出してギャラリーを楽しませてもらい、3、4日目は難しいコース、タフなグリーンで技術を発揮しギャラリーの拍手をもらっていただきたい」やんわりと“挑戦状”。

対して中嶋はいった。「優勝スコアは10アンダーパー。ティーショットをうまく打つと2打の番手が8番アイアンからウェッジで打てる。そして4つのパー5のうち3つは毎日バーディーを取りたい」思惑とおりいけるとパー5だけで10アンダーパーから12アンダーパー。ボギーも出るから10アンダーパーの目標スコアだ。そして付け加えた。「日曜の午後の9ホールがキーホールですね」日曜の午後。9ホール。優勝者の居場所である。
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