「室田の牙城を崩すには、ビックスコアしかなかった。そういう中、65で回った。あとは集中力だね」尾崎健夫が優勝戦線に一気にくいこんできた。1イーグル・6バーディー、ボギーは僅かひとつだけ。65のベストスコア。第3ラウンドの最少スコアを1打上回る大会記録で19位から3位タイにあがった。スタートホールの1番、パー5を2オンする先良いバーディーで乗った。4番からは3ホール連続し2.5メートルをねじ込む3連続バーディーでアウト32。インに入るとさらに加速した。
10番、フェアウェイをキープしたパー5のセカンドショット「250ヤードを4番ウッドで打ち、奥のカラー。5メートルをパターで入れた」会心のイ
ーグル。続く11番もオーケーバーディーで7アンダーパーと乗った。同じ53歳、プロ入り同期の中嶋常幸と一緒のラウンド。2000人を越えるギャラリーを引き連れて飛距離で一歩も引かなかった。12番パー3で風を読み違えてバンカーに入れるボギーとしたが、14番パー5でエッジまで運ぶバーディー。実に4つのパー5で5アンダーパー。パワーヒッターの真骨頂だった。
「まだ不満だ」ホールアウト後に言った。15番、17番、18番とセカンドショットをサンドウェッジで打ちながらバーディーチャンスをことごとく外した「パー4で7か8ホールをサンドウェッジで打つんだから、もうすこしバーディーを取らないといけないね」悔やむ姿に底知れない可能性がのぞいた。最終ラウンド。首位とは4打差。「室田君がビッグスコアを出したら追いつかないが、チャンスはないわけじゃないよね」と自分に言い聞かせるようにいった。「セカンドショットの集中力を高め、ショットでいくわけだからパー5のホールをきっちりととって、ミドルホールでは5メートルにつけたショットを、明日は2メートルに近づけていきたい」大逆転に向けギンギンに燃えた。
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