《2年連続、1打差の2位に泣いた室田淳》
18番グリーン上、最後の望みをつなぐバーディーパットを外した室田は、グリーン奥で見守っていた青木功に向かって、バンカー越しに最敬礼、深々と頭を下げた。「頭が下がる思いです。それもエージシュートを達成した上でのことですから。もう、オメデトウゴザイマス!と言うしかありません」それでも、この単独2位の賞金を加えた3,840万円という室田の獲得賞金額はここまでトップだった友利勝良(4アンダーパー・10位タイ)を抜いて今季賞金王の座を確定させた。
《終盤のボギーで力尽きた飯合肇》
「青木さんの後ろ姿を見ながらのプレーだったので、ここ一番のバーディーパッ
トを数多く見た。勝負どころのパットを捩じ込む気合と力には脱帽だね。この大会を盛り上げた立役者として、青木さんが“シニアオープンは面白いゲームなんだ!”というメッセージをファンに贈ったのだと思う。僕自身は自分のゴルフに負けたようなプレー内容で、口惜しい思いで一杯なんだ」(上がり3ホールで2ボギー、この日の71で通算8アンダーパー4位)
《我孫子育ちの後輩、海老原清治》
「練習日に一緒にプレーした後、青木さんは言っていた。“今週の俺は65くらいのスコアが出るかも。64は要らない。俺は65歳だから65のスコアが欲しい”とね。それを実際の本番で、しかも最終ラウンドで出してしまうのだから、青木さんは凄い! あの人は自分の目標に向けて普段から努力して、節制して、思う通りに実行してしまう。その姿勢が素晴らしい。あの人の闘争心は誰でも見習うべきでしょう。その反面、不甲斐ない自分が情けなくて口惜しい。今まで先輩として目標にして来た僕としては、また新しい目標を作られてしまったという思いです」(4アンダーで10位タイ)
「“世界のアオキ”を生で見せられ、そこに彼の執念を感じました。65のエージシュート達成を賞賛したいし、大逆転劇を見たギャラリーの皆さんも感銘を受けたはず。この好ゲームは歴史に残るのではないですか?」(日本ゴルフ協会会長・安西孝之)
「第3ラウンドで尾崎健夫が65をマークしたので、最終ラウンドにも誰かがまた出すスコアだと思っていました。しかし、それが65歳の青木功選手とは思いもしませんでした。天候の関係でラフがあまり深くなく、グリーンも硬く、スピードも出せませんでしたが、このスコアは青木選手が積極的にピンを攻めた結果だと思います。その勇気ある攻撃的ゴルフを賞賛すべきでしょう。日本オープンでも、最終ラウンドに攻めた谷口徹が勝ったように、プレーヤーの高度な技術と精神力を引き出せたと思っています」(大会競技委員長・野村惇)
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