「3連覇は難しいものだった」放心したような表情で
﨑山俊紀(今治CC)が言った。
大会史上の新記録、ローアマチュア3連覇が懸かっていた﨑山が、最終18番のパットを打ち切れず、わずかに外した瞬間、先に2オーバーパーでホールアウトしていた鵜木伸久(ブリヂストンCC)に栄冠が輝いた。
﨑山が4日間通算3オーバーパーで迎えた最終グリーン上、ピン奥3メートルにつけたバーディパットを沈めれば、両者のプレーオフになるところだったからである。その瞬間、プレーオフを予想して練習グリーン上にいた鵜木がスコア提出所へ﨑山を訪ね、「ローアマチュア、戴きました!」と握手して頭を下げた。
この日、4オーバ
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ーパーでスタートした鵜木は「パープレーを目標にしてプレー。それで駄目なら諦めもつく」と思っていたが、3番、5番といきなりバーディーが獲れて「ひょっとしたら?」と気持ちが夢のタイトルに傾きかけたらしい。そのせいか7、8番でショットを曲げる連続ボギーで降り出しに戻った。「インにターンする時、よし!またゼロから出直しだと思ったら、10番で52度のウェッジを1メートルに寄せてバーディーだったので、気持ちの切り替えが出来ました。12番、5番ウッドのティショットが3メートルに寄ったバーディーもその流れのお陰でした」とマインド・コントロールの結果であることを強調した。2打差を追った鵜木が2アンダーパーの70をマーク。73とスコアをひとつ落とした﨑山を逆転したのだった。
「最高の気分です。福岡からゴルフ仲間が泊り込みで応援に来てくれたお陰です。初出場でローアマチュアを獲れたなんて、一生に一度のこと。来年の試合に向けて健康管理に気をつけて頑張ります」と笑顔満面だった。実家がゴルフ練習場を経営しているので、10歳の小学生時代からクラブを手にし、ホームコースのブリヂストンCCでは20回のクラブ選手権を制覇しているとか。それ以上に、1978年、九州アマ優勝で出場した日本アマチュアゴルフ選手権(相模原GC東C)で4位に入る活躍がキャリアの中で光っている。「湯原信光さんが優勝した年でした。その湯原さん、中部銀次郎さんと一緒の組でプレーさせて戴きました。その後、名手・中部さんの基本に忠実なプレーに感銘を受けて、いまだに私の尊敬する人になっています」
シニア・ルーキーの初優勝を導いてくれた自分のプレーを振り返って、「100点満点でした!」と結んだ。
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