今年のマッチプレー1回戦は、ゴルフの怖さと面白さが凝縮されたものとなった。
昨日のラウンドで「自分だけホールが大きくなっているかと思った」というほど好調なパッティングで、メダリストに輝いた水上晃男。それが、たった一夜で「パットがまったく入らない」と嘆くほど調子が変わってしまう。「1番で2メートルのパットを4メートルもオーバー。これでグリーンのタッチが分からなくなってしまった。グリーンの速さに戸惑った」と、良いところなく、プレーオフを勝ち抜いてきた扇慶太朗に4and3で敗れた。
地元北海道でただ一人マッチプレーに進出した安本大祐。周囲の期待を一身に背負って1回戦に臨んだ安本だったが、
中西直人に4and3で屈した。「今日のホールロケーションは難しい。自分の実力では、アプローチで寄せる技術がなかった」と完敗を認めた。
上位進出を期待された宇佐美祐樹も1回戦で和田健太郎に5and4の大差で敗れた。「この3日間、ショットが安定しなかった。グリーンの難しい位置に乗せてしまって。後半は自滅に近い形です」と悔しさをにじませていた。
「マッチプレーからが日本アマの本番」と意気込んでいた薗田峻輔だったが、1回戦の対戦相手、松山英樹から一度もリードを奪えず4and3で敗れた。「ティショットが少しぶれてしまった。前半リードされてから、攻めなければいけない展開になり、どうしてもピン奥にオンしてしまう悪循環に陥ってしまった。松山選手のことはまったく知りませんでしたが、隙はまったくなかった」と思わぬ1回戦敗退に茫然自失の表情だった。
中学3年の浅地洋佑は、予選ラウンドでは好調なプレーで3位入賞を果たし、マッチプレーでも健闘が期待された。しかし、4番ホールで80センチのスライスラインを外したことでリズムを崩し、惜しくもマッチ初勝利をあげることができなかった。「初めてのマッチプレーを楽しむことが出来ました」負けはしたものの、充実感を漂わせた浅地。「次は関東ジュニア。そこで良い成績を残し、日本ジュニアに出場したい」期待の新星は、次の目標に向け、練習場に向かっていった。そして、10月には日本オープンの夢舞台が浅地を待っている。
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