木の葉を打つ雨音が聞こえてくる静けさの中で行われたBi-o Kimと徳永智也の準決勝。冷たい雨が降り続ける天候と相反するかのように、二人のマッチは、ホールが進むごとに白熱していった。2番ホールで徳永がボギーを叩いて先行したKimは、4番も奪い2upと差を広げる。地力に勝るKimがこのまま一方的に試合をリードするかと思われた5番。KimがOBのミスで1upと詰め寄られると、6番も徳永に奪われてオールスクウェアとされた。このあと11番まで引き分けが続き、12番ではKim、13番で徳永がホールを奪いオールスクウェアで迎えた14番。グリーン手前ラフからのアプローチを寄せたKimが1upとすると、14番
で上り3メートルのバーディーパットを沈め、徳永を追い詰めた。
しかし、徳永も16番を取り返してKimが1upのリードとなった17番。ティショットを左に曲げたKimがボギーを叩くと、1メートルのパーパットを徳永が外し、このホールを引き分けて勝負の体勢は明らかとなった。「徳永選手は、ベストフレンドの一人。メールでもやり取りをしている。徳永の実力も分かっているし、勝てて嬉しい」と笑顔を見せる。「マッチプレーに入ってから、一度も楽な試合はなかった」と決勝までの道のりを振り返る。
昨年大会ではメダリストに輝きながら初体験のマッチプレーで戦い方に戸惑い、1回戦敗退の屈辱を味わったKim。韓国ナショナルチームメンバーとして、ノムラカップなどの国際経験も積み、一回り大きくなった今年、1年越しの日本アマタイトルを手中に収めるか。
|