好天、強い風。堅く締まった難コースで宮里が好プレーを見せた。
「ショットは自信を持って打てているしパットもフィーリングがいい」笑顔がのぞいた。
10番からスタートの12番ホール、奥からのロングパットを1メートルオーバー、返しも外す3パットボギー。前日、同じホールでのダブルボギーを引きずったいやなスタート。しかし、その後、ティーショットはフェアウエーをとらえアプローチも冴え、完全に立ち直りをみせた。
アウトコースに入ると1番ホールのティーショットに3番ウッドを使い、セカンドショットを8番アイアンで4メートルにつけるバーディー。さらに4・5番ホールも1メートル半、7メートルとバーディーパット
を沈めた。いずれもティーショットは3番ウッドだった。
ドライバーを封印し、開眼していた。「フェアウェーが堅いのでドライバーで打つと昨日のようにラフにいく。高麗芝はランが出るしティーショットで、3番ウッド。空に向かってしっかり振れ、ホールが広く使えてうまくいった」
インコースでは前日同様、ドライバーを使った。アウトコースに入って3番ウッドに持ち替えたのは「直感です」と言った。この動物的な感覚こそ待ち臨んでいたものだった。
コーチの父、優さんが言う「林とバンカーの二つがガードするタフなホールの連続でドライバーは、転がりすぎたり突き抜けたりしてラフにいったのを、藍も感じたのでしょう。私の指示ではない、あの子が自分で決めたこと」
スランプ。優さんによると昨年の11月から今年の3月まで「ショット、パットとも最悪の状態で、自分を見失った」アメリカに遠征し、じっくり治すこともできず悩んだが、今回、帰国して10日間、ビデオを見たり話し合う中でスイングの欠点、パットの調整が出来たという。「スランプは1年で脱出しなくてはいけない。2年も引きずるのはよくありません」と笑った。
高らかな藍陣営のカムバック宣言。だが、宮里はすぐに笑顔を引き締めた。「風、ピンポジションで、明日はもっと厳しくなる。気を引き締め、いいゴルフをするだけです」最後の優勝は06年の日本プロ選手権。丸2年ぶりの優勝の2文字こそ復活の証。全力で突き進む覚悟がのぞいた。
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