3年前の第70回大会、名門・廣野GCを制覇した片山晋呉はビッグ・ゲームに向けて、心と体に万全の備えをして臨むのを常としている。深いラフ、狭いフェアウェイを考慮して、バッグの中にドライバーを入れない特異なクラブ・セッティングでこの試合に乗り込んだのもその現れだろう。
「とてもアンダー・パーのスコアは出ない。試合前には9オーバーが優勝スコアかと思ったくらい。なにしろ日本オープンだから」と語っていたにもかかわらず、フタをあけてみると5バーディー・2ボギー、3アンダーパー68のスコアで、首位タイなのだ。
それも、スタート直後の2ホールをボギー・ボギーと最悪な出だし。「連続ボギーで出たが、気持ちを切らさず、我慢できている自分を褒めながらプレーしたのが良い結果になった」と淡々としたもの。
ただし、「ホール・ロケーションは一部で、おかしい所もあったが、これだけ難解なグリーン傾斜ではどこにカップを切られても易しい位置はないはず」と自分を納得させていた。
バーディー・パットで最も長い距離は1番ホールの10メートルだけで、残りの4個は8メートル以内。6番パー3のバーディーなど8番アイアンをフェード・ボールで50センチにつけるファイン・ショットだった。
試合後の記者会見では終始笑顔だったし、「最終日の記者会見ではもっと長い話しをしたい」と結んだ。
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