2008年度(第73回)日本オープンゴルフ選手権競技
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競技報告
【石川遼、一時5アンダーで首位に立つ】
第1日 競技報告:武藤一彦    写真:Gary Kobayashi
「ドライバーで攻めるだけ攻める。それが僕のスタイル」と言い放った石川がスタートホールから見せた。ウイークデーに詰めかけた4014人のギャラリーは興奮の坩堝に入った。
412ヤードの1番ホール、ドラーバーを一閃、残り100ヤードまで飛ばす豪快なショットで一気に波に乗った。2番ホールのパー3で 1メートルにつけるバーディーで1アンダーパー。3番ホールのパー5は522ヤードをエッジまで運んだ。このホール、バーディーは惜しくも逃したが、同じ組の青木功、地元福岡の手嶋多一が林とラフで苦戦するのを見たギャラリーからは絶賛の拍手を浴びた。
4番ホール打ち下ろし。左に池が大きく口をあけるプレッシャーのかか
るホールでウオーターハザードのはるか先、残り60ヤードまで飛ばすと3メートルにつけるバーディー、続く5番ホール・パー5は2オンに成功、連続バーディーで3アンダーパー、8番ホールは2メートルをねじ込み、インコースに入って12番ホールもバーディーで5アンダーパー。

だが、すべてがフルショットの“破たん”もあった。ゴルフは厳しい。9番ホール、左林に入れたピンチは3番ウッドを脱出に使う“マジック”と好パットで逃れたが、14番ホール、セカンドショットがグリー手前バンカーで目玉、4オンの2パットのダブルボギーで勢いは止まった。続く15番ホールはラフ、18番ホールはフェアウエーバンカーの目玉とティーショットが狂いを見せるとボギーが続いた。
「ショットがいい時にスコアが出るのはうれしいが、当たり前のこと。ショットが悪くなった時にどれだけ我慢するか、が大事なのにできなかった」
ホールアウト後、冷静に分析した。「17,18番ホールあたりでは気持ちと体力の安定がなかった、乱れてるなと感じたが、そう思っていながら手ごたえが悪くなってしまった」と唇を噛んだ。調子のいい時にいいスコアは当然、悪い時にいかに耐えるかと課題を口にし、考え込んだ。
ただ一人5アンダーパーまでいった石川。一瞬でも“頂点”に立ちながら、しかし、満足感はない。「でも明日も、10年後も、おそらく僕は同じゴルフをしていると思います」といった言葉に意地がのぞいた。

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