「この2日間、理想の攻め方通りにいけた。ドライバーのスイングが良くなったら、ほかのショットも良くなった。こんなに楽しく日本オープンでプレーできていることが信じられない、うれしい」
ホールアウト後、石川はほどよい緊張感を全身にまとい、難ホールを攻略した満足感でいっぱいだった。
「予選を通過しあと2日、ドライバーで攻めていける?」
「はい、最終日に5打差ならガンガン攻めるゴルフがやれますね」
攻めのゴルフはまず試練先行。スタート直後、難ホール続きの中でも距離がなくバーディーチャンスの12番ホール、ティーショットを左林に曲げるくやしいボギー。
続く14番ホール、前日ダブルボギーをたた
いた467ヤード、長いパー4。セカンドショットをバンカーのふち、片足をバンカーに入れるアプローチを3メートルもオーバーし、またもやボ゙ギー。
この時点で通算1オーバーパー、前日一時、5アンダーパーまで行ったスコアはついにオーバーパーとなった。16番ホール、ようやくバーディーがきたが、17番ホール・パー3、バンカーに入れ、アプローチにも手こずるとダブルボギー、快進撃もついにここまでかと思われた。
だが、アウトコースで生き返った。1番ホール、ドライバーショットをフェアウエー、セカンドショットを1メートルにつけるバーディー。5番ホール・パー5では、風がフォロー。3番ウッドでティーショットする“戦略”も見せパーをキープした。終盤の8番ホールでは118ヤードのウエッジショットを1メートルにつけて、バーディーとするとイーブンパー。上位に踏みとどまった。
「結果を考えないで自分のゴルフをやっている。気持ちいいゴルフだよ」
同じ組の大ベテラン青木功を興奮させる力のゴルフだった。ドライバーの飛距離にこだわりロブショットを中心にアイアンも高さにこだわった。今回、難しいセッティングを前に大多数が刻むゴルフを実行する中、断固“マイゴルフ”にこだわった。
アマ時代を含め日本オープン3度目の出場ではじめての予選突破。日本プロなどメジャー5戦で初の決勝ラウンド進出だ。
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