1番ホールのパー5を仕留めて3アンダーパーにした室田淳はその後の12ホールはパーを積み重ねるだけで、我慢の連続。本人に言わせれば「パットが思うように打てない。もしやイップスか?」と、試合後に感想を漏らすほどイライラ感を募らせたらしい。その結果、14番ホールでボギーにして、この日のスタート時点、2アンダーパーの振り出しに戻る。しかし、2年連続のシニア・ツアー賞金王の意地とプライドか、17番でバーディーを獲ると、最終18番ホールで一気に爆発した。「ドライバー・ショットがヒール気味で、第2打の残り距離が253ヤード。3番ウッドでピン手前5メートルに2オン。思いっ切りスライス・ラインと読んで打つと、真ん中から入ってくれた!」とイーグル・フィニッシュによる5アンダーパー、前日の7位から4位タイへと順位を上げたのである。
この大会では過去2回、1打差の2位(桑名大会、優勝・中嶋常幸、くまもと中央大会、優勝・青木功)に泣いている室田としてはなんとか念願のビッグ・タイトルに手をかけたいところ。今季のシニア・ツアー成績でも10位以内が3試合あるものの優勝はなく、賞金レースではただ今7位。ただし、前々週の富士フィルム・シニアでは長尺パターを駆使して2位タイだったゲンをかつぐためか、「明日は長尺パターに換えて、電気が走るような痺れ感をなんとかしたい」と中嶋常幸との5打差に挑む、意欲を見せた。
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