2009年度(第74回)日本オープンゴルフ選手権競技が明日15日、埼玉県の武蔵カントリークラブ・豊岡コースで開幕する。指定練習日の14日、1886人のギャラリーが見守る中、出場選手は第1ラウンドに向けて最終調整を行った。
ディフェンディングチャンピオンの片山晋呉は、1番からハーフをプレー。軽めの調整で大会連覇に向けた戦いをスタートさせる。それは、体調維持の気持ちもあるのだろう。「体調は毎日不安。いつも痛いけれど、なんとかやれている感じ」と、話す。一月前に武蔵CCをプレーした時と、「全然違う印象。ラフも深くなっているし…でも、予想通りでもある」。「このコースは、全てのホールで気が抜けない。
グリーン周りからのアプローチも寄らないだろうから大変だと思う。僕自身はアイアンの精度が問われると思っている」と、冷静に連覇に向けた準備を整えた印象だ。
先週、サンフランシスコで開催されたプレジデンツカップに世界選抜の一員として出場し、13日に帰国した石川遼は、疲れた様子も見せず、大勢のギャラリーを引き連れて18ホールをプレーした。「これ以上ないというくらいフラットなコース。その分広く見えるが、250ヤードから300ヤードまでの間はどんどん狭くなっていく。250ヤードの広いフェアウェイが視界に入ってドライバーでティーショットを打っていくと、意外と狭くて…。ドッグレッグも少ないし、イレギュラーはないセッティングです」と、コースの印象を語った石川。日本オープン特有のラフには、「意外と短いのですが、短いと感じさせない。球がすっぽりと埋まるし、芝が生き生きしていると感じた。フェアウェイとラフとの差があって、ラフに入れると距離が稼げないし、難しい。7番アイアン以上では飛距離が出せません。だから、ティーショットはドライバーを使って、第2打を9番アイアンやピッチングウェッジで打っていく」と、コースマネジメントを頭に描く。石川には、連戦の疲労も心配されるが、「昨日、帰国して自分が思ったよりも体の動きが良かったし、タイミングも合っていたので安心した。良い状態で望めそうです」と、不安を一掃した。日本オープン最年少優勝記録更新と賞金王の期待もかかる石川は、「片山さんも池田さんも油断しないでしょう。僕自身も油断しないように。賞金ランキングで1位にいますが、意識はしていません。自分は1位という立場はプラスにしか働いていません。追われる立場をマイナスに捉えるのか、プラスに捉えるのか…僕はプラスにしか考えていません」と、18歳とは思えない強いメンタリティを垣間見せる。明日からの石川の一挙手一投足から目が離せなさそうだ。
今年、3勝を上げて約1億1800万円を獲得し、石川とともに男子ツアーを牽引している池田勇太は、「天候とか風も影響してくるけれど、コース攻略の基本は出来た」と、日本オープン初制覇に向けて自信をのぞかせた。先週のキャノンオープンを逆転で制した池田は、「ドライバーショットも先週よりは上向きだし、欲を言えば4勝目をあげたい」と意気込む。平坦な武蔵CCも「アップダウンがきついコースより、こういうコースのほうが好きだけど、狭いホールもあるし、グリーンの傾斜もアンジュレーションがきつい。グリーンも硬く締まって速さを増しているし…」と警戒は忘れない。日本オープンでは過去にローアマチュアを獲得している池田。「ゴルフをやっている中では1回は獲りたいタイトル」と、好調の波に乗って、一気に日本オープン制覇を目論んでいる。
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明日の第1ラウンドの模様はBShi(衛星ハイビジョンで13時~16時50分、総合テレビでは15時15分~16時50分の生中継で放送予定です。
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