2009年度(第74回)日本オープンゴルフ選手権競技
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競技報告
【紛失球にもめげずに通算3アンダーパーをキープした藤田寛之】
第2日 競技報告:塩原義雄    写真:Gary Kobayashi
10番ホールからのスタートとなった第2ラウンド。藤田は、いきなりトラブルに見舞われた。ティショットが左林に飛び込み、木に当たった。そこまではわかっていたのだが、ボールは、どこにはねたのだろう…打ち込んだエリアでは、藤田がその地点に到着する前からフォアキャディーやギャラリーが一緒になってのボール探しが始まっていた。そこに藤田も加わる。
「あった!」の声に、ボールを確認すると、残念ながら、自分のではなかった。そこで球探しを切り上げ、藤田は「もう、結構です。ありがとうございました。打ち直してきます」と第1打を紛失球として、ティインググラウンドへと戻っていった。

このホール、結局ダブルボギーと
なった。だが、藤田本人は、意外にさばさばしていた。ホールアウト後に、このときの気持ちをこう明かす。
「どうってことない、とは思いませんでしたが、昨日で3アンダーパーの貯金があったので、慌てることはありませんでした。今日は1アンダーパーからスタートすることになった、と切り替えていきました。それでも、十分にいいスコアですから…」

ショットは、前日と同じように微妙にぶれていて、連日懸命の立て直しに時間をかけているが、それでも、なかなか思い通りにはならないという。それでいて、しぶとくスコアをまとめている。今季2勝の余裕か。「自分としては、日本オープンは自分のゴルフと相性がいいと信じています。普通にやっていれば、上位には入れると思いこんでプレーしています。それに日本オープンのコースセッティングでは、仮にショットが絶好調でも、それがスコアに結びつくかどうか。好結果とミスは紙一重だと思います。だから、ミスショットでも、それが許容範囲内であれば、好結果につながることもある。ショットの精度にこだわりすぎず、自分の心に波風立てず粛々とホールをこなしていくことが大切だと思っています」

最悪といっていいスタートでも、慌てず騒がず-。その後は4バーディー・2ボギーの内容で、第2ラウンドはパープレー。前日の貯金をそのままにキープした。
「日本オープンは、他の選手との戦いではなく、コースと自分自身との戦いという要素の方が大きい。4日間、体調を維持しつつ、自分のゴルフに徹して、最終ラウンドのバックナインに入ったところで優勝を狙えるポジションにいられるようにプレーを続けていきます」

ちなみに、藤田が予想する優勝スコアは「5アンダーパーぐらいじゃないでしょうか」。もし、2ケタのアンダーパーをマークするような選手がいたら…。「そのときは、完全にお手上げですね。凄いとしかいいようもありませんから」

プレーもインタビューでのやりとりも、藤田の落ち着きぶりは、際立っている。

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