「この2日間、最高です。イメージしている日本オープンの第1、第2ラウンドになったと思う」とこの日、70の2アンダーパーで首位に1打差の3位タイにつけた片山晋呉。虎視眈々というよりも、むしろウイニングロードの折り返しの定位置に着いたという感じである。
片山が、今大会のメディア・デーで語っていた通りの展開になった。
「パープレーを基準にしていって、そこを少し上回れれば、優勝争いの中にいられるというふうに考えます」と予想した。さらに、勢いのある若手選手たちについて、こうも語っていた。
「日本オープンと限定するなら、勢いやパワーで優勝できる試合ではないと思っています。総合力が試される試合で、しか
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も様々な要素がコンマ以下の微細なところまで採点されていくようなトーナメントです。考え抜き、磨き抜き、鍛え抜いたあらゆる面が、いかに高次元でバランスよく機能するか。彼らにとって、大きく成長させてくれる試合ではあると思います。でも、平常心でプレーさせてくれる試合でもなければ、楽に勝たせてくれる試合でもないと思っています」
その『読み』通りの展開だ。首位が藤田寛之とハン リー。さらに片山と並ぶ3位グループに、丸山大輔、宮瀬博文、今野康晴、宮本勝昌、デービッド・スメイルと強者たちが並ぶ。
「日本オープンだけは、戦い方が違うと思っています。普通のトーナメントのようにやっていたら、(コースと雰囲気に)やられちゃうと思いますよ。そのへん、僕は、そういう勝ち方を知っている」と自信を見せた。
例えば「今回のコース攻略の鍵となるラフは、いわゆるモジャモジャで、そこに打ち込んだらどうにもならない、というほどではないのです。すっぽり埋まっていてもアドレスした時に球は見えます。だから、なんとかなりそうだ、という気になってしまいがちです。そう思わせるのが、狙いだと思いました」と語っていたことが、選手たちの現実になって、ゲームに表われている。ラフを見ると、そんなに深くない。でも、実際は「長くなくても、ボールは地面まで届いてしまっています。こうなると、見た目よりずっとラフの抵抗は強くなります。深くても、ラフの中に浮いている状態なら比較的楽に打ち出せるのですが、地面に接している状態だと、逆に打ち抜けません。うまく打てたとしても、グリーンには止まってくれないでしょうね。こういうセッティング、こういうコースの攻略は大変なんですよ。その大変を乗り越える人が勝つ。僕だって、去年、もっと大変な壁(古賀ゴルフクラブでの日本オープンの戦い)を1個乗り越えているので……。(今回も)できると信じてやるだけです」この見極めが、攻略の大きな鍵だと片山は言い、的確な判断と実行の勇気を持っているのが、いまの片山だ。
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