スタート前の練習場で、ドライバーやフェアウェイウッドで、しきりに低い弾道のボールを打つ練習をしていた選手の一人が、このハン リー(Han LEE)である。「こういう林間コースでは、低い弾道のボールで、方向性重視のティショットが必要になるからね。特に、5、7、11、17番ホールでは、2番アイアンぐらいの弾道でドライバーショットをしたよ」と言う。第1ラウンドの6番ホール(パー5)でのイーグルもあって69。そして今日は、6番ホールでバーディー、最終18番ホールでボギー。残り16ホールは、すべてパープレーという「手堅いゴルフ」だった。
「手堅く、我慢して回りたいとは思っていたけれど、同じパーでも、い
ろいろ悪戦苦闘もあった」という。彼は「こういう難しいセッティングのコースで戦うのが好きだ」と言った。その理由が、面白い。「だって、僕は飛ばし屋で、どうしてもボールが曲がる確率が高く、ラフに入ることが多いでしょう。狭くて難しいセッティングなら、普通の選手でもラフに入りやすい。そうなると、条件はイーブンじゃない」とニヤッと笑った。身長190センチ。まるでアメリカンフットボール選手のような体格。出生は韓国で、2歳のときにアメリカに渡る。そこでゴルフを覚えた。「9歳のころ、母親からゴルフを教わった」という。カリフォルニア大バークレー校出身で、2年前アジアンツアーなどを転戦し昨年の日本オープンに出場。6位となる。
「僕の人生の中で、去年の(古賀ゴルフ・クラブでの)日本オープンが、最も難しいコースだった。そこで6位になれたことが大きな自信」となって、今季から日本ツアーに挑戦している。「その日本オープンでキャディをしてくれた月森洋二君に、専属キャディをして貰っている。もの凄く相性がいい関係だと思うよ」
ふたりの決め事は「パー5では、攻める。そのほかのホールでは、手堅くいく」という大前提があった。その作戦が、前半2日間、功を奏した。「もちろん、明日からも、同じ作戦でいきます」
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