アマチュア選手の松山英樹、大塚智之が通算イーブンパー、12位タイと大健闘している。続いて、1オーバーパーの21位タイで川村昌弘が続き、ローアマチュア争いも熾烈になってきている。自身初の日本オープンで2日間、好プレーを続けている大塚。「緊張しているけれど、調子がよくてよい感じでプレーできているし、日本オープン特有の雰囲気も楽しめている」と笑みを見せる。厳しいコースセッティングに「ティショットは飛距離よりもフェアウェイキープを第一に考えて。2打目の距離が残ってもいいようにクラブセッティングに加えた」というユーティリティーが功を奏している。第3ラウンドも「まずパーをセーブすることを考えてプレーしたい
」と、着実なプレーで上位進出をうかがう。
「少しでも上位に行って、いい選手と回って、もっと勉強したい」と言う松山は、ローアマチュア狙いというよりは、むしろ自分の技量を、こういうシーンで研鑽したいという無垢な気持ちが、スコアを支えているのかも知れない。通算3アンダーパーで首位タイになった藤田寛之と同じ組で回って「いやー。ショットの精度、すべて自分よりも遙かに上でした。簡単にボギーを打たないということが、いちばん印象に残りました」と目を輝かせた。
その松山と大塚に1打遅れて追っているのが、福井工業大学附属福井高校の川村昌弘である。今年の日本アマチュア選手権の予選36ホール・ストロークプレー。7人で最後の1枠を争うプレーオフに残って予選通過してマッチ進出を果たした選手だ。準決勝で宇佐美祐樹に敗れたものの、16歳らしからぬ落ち着いたプレーを見せていた。
2日目の朝。スタートの2時間以上前にコースに現れ、入念なアプローチとパッティング練習をしていた。「時間が余りすぎて(笑い)、途中、食事をとってからスタートしました」という笑顔は、16歳らしい。でも、プレーは16歳とは思えないステディさと攻撃性をうまく備えている。圧巻は、1番ホール(パー5)だった。
第1打をフェアウェイ真ん中に捉え、残り250ヤードの第2打を3番ウッドでグリーンを狙い3メートルにつけ、それを入れてイーグルだ。
「その貯金があったから、なんとかパープレーで回り切れました。パッティングがもう少しよければ…」悔やむが、1イーグル・3バーディー・5ボギーのパープレーは素晴らしい。残り2日間のローアマチュア争いも、見逃せない。
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