|
|
3日目は、スコアが動く。4日間を起承転結にたとえるなら「転」の1日になる。まるでそんな喩えが見事に当てはまる日だった。9時28分スタートの石川遼が、前半を32でターンして、さらに10番ホールでもバーディーを獲り5アンダーパー、通算3アンダーパーとした時間帯に、ようやく残り4組がこれからスタートするという時刻である。
2日目までのゲームプランから予想して、3日目のゲームプランをイメージしていた選手たちにとって、結果的に「石川遼が通算5アンダーパー」という数字は、重くのしかかる。
首位と1打差で第3ラウンドを終えた今野廉晴が、1番ホールをスタートしたのは、石川遼が9ホールを終えてターンし始めたころである。「石川君が5アンダーパーというのを途中で知りましたけど、やっぱり気になりますよね」石川が65でホールアウトし、通算5アンダーパーで終えたと知ったのは、後半をターンするころだった。今野は前半2バーディーで通算4アンダーパーとし、さらに11番ホールでバーディーを獲って5アンダーパー。その時点で「もう少し(バーディーが)いけるという気持ちもあったのですが、12、13番もチャンスだったのですけど…なにも考えずに打てればいいのに、そうはいかないですからね」と、この2ホールでブレーキがかかってしまった。悔やまれるのは15番ホールの3パットのボギーである。すっかりと秋模様。特に今日は曇りで、時間が遅い午後になっていくにつれて、思いの外、冷え込む。自分では気がつきにくいが、そういう空気の冷たさは、ショットやパッティングに大きな影響を与える。特に、今野は、頸椎ヘルニアという持病がある。だから、試合も体の痛みと相談しながら、飛び飛びに出場している。「もうちょっと伸ばせたかな。それにしても、冷えてくると、やっぱり体が動かなくなりますね」という気持ちが残る。今野は、2003年の日光CCでの日本オープンで深掘圭一郎と優勝争いを演じている。2打差の2位となった。「明日は、やるだけです。こういう難しいコンディションのコースにも、ラウンドを重ねるにつれて馴れてきましたから、ともかく迷わずにしっかりと打つことだと思っています」ショットにしろ、パッティングにしろ、どこかに迷いや緩みが少しでも出ると、そのまま悪い結果になる。だから澱みのない1打が要求されるのだが、それが難しい。今野の言う「しっかり」というのは、自分に言い聞かせた言葉である。
|