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強風が吹き荒れた第1ラウンド。各選手が疲れた表情でホールアウトしてくる中、関澤誠は満面の笑みを見せていた。10番ホールからスタートした関澤は、11番で2メートルのパーパットを外してボギーが先行。17番(パー5)では4打目のアプローチが「ちょっと強くインパクトしてしまって」ピン奥3メートルについてしまい、前半を2ボギーとした。しかし、「前半の38は出来すぎです。この他のホールもアプローチとパットで凌いでのバーセーブでしたから」と、謙遜する。後半は2番でホール2個フックする難しい1.5メートルのバーディを決め、3番ボギーの後、4番で再び「直角に曲がる」1メートルのパットを沈めた。5番で再びボギーとしたが、「4ホールでバーディとボギーが連続しましたが、特に焦りはありませんでした。2つのバーディは、難しいラインが入ってくれて、もうけものみたいな気持ちでしたし」と、平常心でプレーを続けていた関澤も興奮を隠せなかったのが、最終9番。625ヤードのパー5と、このコースで最も長いパー5。しかもこの日は、強烈なアゲインストとなり、関澤のティショットも「完璧に近い手ごたえでしたが、20ヤードほど風に戻され」て、フェアウェイ250ヤード地点に落ちた。ここから3番ウッドで残り129ヤードの地点まで球を運ぶと、「今日のホールロケーションなら、グリーン右手前で充分」と9番アイアンでサードショットを放った。これが、強風の中ピンに向かって、「入るところも、ホールに球が落ちる音まで聞こえた」という、チップインイーグル。この日、124人の選手でただ一人のイーグルを決めた関澤が1イーグル・2バーディ・4ボギーで田村尚之とともに首位タイ。関澤が第1ラウンドで首位タイに立ったのは、東京ゴルフ倶楽部で開催された2005年大会以来2度目。そのときには2日目に6オーバーパーとスコアを崩し、優勝圏外に落ちてしまった。東京GCでは、「ドライバーショットを左にミスするクセがある」と悩みを吐露していたが、4年を経た今では、「ドライバーを変えてから、殆ど左のミスはしないんです」と自信をつけた。さらに、「元々、自分は風に弱い球を打っていて、強風の時には低く抑えたり色々と苦心してきた。でも、今では、風と喧嘩せず、風に球を乗せて、アプローチが寄せやすい地点に運ぶ」マネジメントも体得してきた。4年前のリベンジ。明日の第2ラウンドで関澤の真価が問われる。
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