「ショットの調子は悪いんです」と、苦笑いの小川貴大だが、プレー振りは不調とは思えないほど完璧な内容だった。6番170ヤードのパー3は、ティショットを7番アイアンで2メートルにつける。軽いスライスのラインを読みきってバーディを先行させると、15番でも2.5メートルを沈めてバーディ。16番(パー3)こそ「風を読み間違って」ティショットを左にミスしてボギーを叩いたが、大きなミスはこの1ホールだけ。17番では170ヤードの3打目を6番アイアンで2メートルにつけて、3つ目のバーディを決めた。「今日は、パッティングが良かった」と好スコアの要因を分析する小川。26パットで1日を終えた小川には、ひとつの作戦があった。「今日のホールロケーションで、ピン奥にオンさせてしまうと、とてつもなく難しいパットが残ってしまう。どういう状況でもピン手前から攻めよう」という考えが見事に嵌った。好調なアプローチとパッティング、慎重なプレーが第2ラウンドを終えて、小川を首位タイに押し上げた。「四日市カンツリー倶楽部は、気を抜けるホールがひとつもないんです。自分のスウィングがどんどん悪くなってしまっているかのように感じるぐらい、スコアメイクに苦しんでいます」と、疲れた表情を見せる。本選手権2度目の出場で最終組のプレーとなる小川。「明日は緊張するなというのは無理な話ですよね。ただ、16番までノビノビとプレーしたい。そうすれば…」優勝争いに絡めると踏んでいる。「残り3ホールで勝負が出来れば」と、明日の戦いに思いを馳せていた。
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