首位タイで第3ラウンドをスタートした小川貴大。全国大会で初の最終組でのプレーにも最後まで粘りのプレーを見せて、通算5オーバーパーで2位入賞を果たした。2段グリーンを上りきったすぐ上にホールが切られた2番ホール。同スコアの藤田がこのホールをボギーとしたのに対して、小川は1.5メートルのパーを確実に決めて、1打リードを奪う。直後の3番で3パットのミスでボギーとし、藤田と同スコアに並ばれても、小川は動じず、8番までパーを積み重ねる。小川が1ストロークシードで迎えた9番ホール。ティショットをフェアウェイ右に運んだ小川の2打目は、「ややつま先下がりのライ。ちょっと意識しすぎて…」球は右の林の中に。あわやOBというこのミスが、OBラインの内側1メートルでボギーと命拾いをしたが、この時点で藤田と土本に通算3オーバーパーで並ばれてしまった。後半、先にスコアを崩したのは小川。10番でボギーを叩くと、13番でティショットを左バンカーに打ち込みボギー。17番もボギーを叩いたが、最終18番でバーディを決めた。
傍から見れば、今日の小川は昨日話していた通り、グリーン手前から攻めるという作戦を愚直に実行しているように見えたが、小川本人は昨日までとは違う感覚でプレーしていたという。「ドライバーの調子が悪くて、どうしても2打目の距離が残ってしまった。それで2打目をあと5ヤード、10ヤード先に落としてピンに転がし上げたかったのだけれど、段の下に乗ってしまい、バーディチャンスも長い距離ばかりが残ってしまった」と残念がる。しかし、「その中で2位は上等です」と、充実した表情を見せた小川。本選手権2位入賞で来年の日本アマの出場資格も手中に収めた。その日本アマの舞台は、地元四国の愛媛ゴルフ倶楽部。四国で初めての開催となる日本アマで、小川は自己最高順位のベスト16突破を目指す。
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