2010年度(第75回)日本オープンゴルフ選手権競技が14日、愛知県の愛知カンツリー倶楽部で開幕する。指定練習日の13日、明日からの熱戦を控えて、出場選手が最終調整に勤しんだ。
昨年の賞金ランキング1位、今年も賞金王争いでトップに立ち、名実ともに日本ゴルフ界のニューリーダーに成長した石川遼。一昨年の古賀ゴルフ・クラブで2位、昨年は最終ラウンドを首位でスタートしながら、小田龍一と今野康晴とのプレーオフで惜敗し、悔し涙を飲んだ石川が、悲願の初優勝に向けて10番ホールから9ホールの練習ラウンドを行った。
1900人を超える大勢のギャラリーの中での最終調整となった石川だが、「グリーン周りのラフの確
認、フェアウェイの両側のラフの長さや密度…やるべきことは全て出来ました」と充実した表情。「体調は良いし、ゴルフの状態も良いので、体をケアしてトレーニングして明日に備えれば」と初優勝に向けて、自信をのぞかせた。石川にとって会場の愛知カンツリー倶楽部には苦い思い出がある。2007年5月にアマチュアでツアー優勝を果たし、注目を一身に集めるようになった石川が迎えた日本アマ。「目標としていた」この日本アマの会場がここ愛知カンツリー倶楽部だった。「自分にとって最後になるかもしれない」という思いをもって臨んだ日本アマだったが、2日目にスコアを崩し、よもやの予選落ちを喫した。
日本アマでのリベンジと日本オープン初優勝。多くのファンの期待に応え、想像を超える結果を残してきた石川。史上最年少優勝記録の更新もかかる今年の日本オープンでの活躍に目が離せない。
第1、第2ラウンドでその石川と同組でプレーするのが、先のアジアアマチュア選手権で日本人初優勝を果たし、一足先に来年のマスターズの出場資格を勝ち取った松山英樹。「愛知カンツリー倶楽部をプレーするのは、初めて」という松山は、コースの特徴をつかもうと練習に余念がなかった。先週の優勝で一気に注目を集める存在となったが、「マスターズにも出場できるというだけなんで。嬉しいのはもちろんですが、すぐに気持ちを切り替えてます。そうしないと良い結果は得られませんから」と日本人アマチュア選手として初めてのマスターズ出場の快挙にもクールに対応する。「アジアアマで優勝したからといって、今週も上手くいくとは限らない。ギャラリーもたくさん来ていただけると思うけど、一打一打に集中してプレーしたい」と、最後まで冷静に答えて、コースを後にした。
大会連覇を狙う小田龍一は、ツアー序盤戦こそ不振に苦しんだが、パナソニックオープンで2位、キャノンオープンで6位タイと調子を上げて、愛知カンツリー倶楽部に乗り込んできた。8月のメディア・デー以来の愛知CCに「グリーンの状態も良くなって、フェアウェイが狭く感じました」と話した後、「でも、僕のショットが曲がっているからかな」と笑いを誘った。ツアー秋の陣を迎えて、「ショットに関しては不安が取れてきているのと、やる事を決めてやって、余計なことを考えないようにしている」と上り調子の小田だが、「上位は狙えたら。予選だけは通りたいですね」と控えめな答え。日本オープン史上6人目となる大会連覇を果たせるか。
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