2010年度(第75回)日本オープンゴルフ選手権競技
競技会トップ コース紹介 歴史・過去の大会 オープンへの道のり ギャラリー 協賛・役員 JGA HOME
sponsors
競技会トップ
フルリーダーボード
ホールバイホール
ホールサマリー
ホールロケーション
組合せ・スタート時刻
気象状況
競技報告
出場選手
競技概要
観戦案内
TV放映
フォトギャラリー
大会のみどころ
主な記録
本選競技日程
JGA HOME
新's あらたにす JGA3大オープン特集
NHKで全国生中継予定
NHKニュース and  スポーツ
Championship Reports
競技報告
【アジアアマ出場の川村と大田和も健闘】
第1日 競技報告:三田村昌鳳    写真:Gary Kobayashi/Yoshitaka Watanabe
川村 昌弘
「いい意味で先週の大会の調子を引きずっています」というのは、地元のアマチュア川村昌弘である。先週(10月7~10日)第2回アジアアマチュアゴ選手権が、霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された。同大会の優勝者は、アマチュア選手としてマスターズの出場権を得て招待され、しかも全英オープン選手権最終予選の出場資格が与えられる。
川村もその大会に出場していた。残念ながら9位タイで終わったものの、参加した選手たちで、この日本オープンに出場しているアマチュア選手は6人いるが、そのうち3人がアンダーパーで第1ラウンドを終えて、20位以内に入っている。
アマチュア選手の場合は、プロ選手のように毎週トーナメントがあ
大田和 桂介
るわけではないので、目指す大会に自分のコンディションをピークに持って行くのが大変である。先週の大会で、厳しいセッティング、速いグリーン、そしてスコアを作りに行って上位に入り込むという流れとゲーム勘を高い位置で保ったまま、この日本オープンにやってきている。
「今日は、いいところで好調のバンカーショットに救われました」というのは、川村昌弘である。特に、2アンダーパーで迎えた17番ホール。左バンカーからの見事なリカバリーは、ギャラリーたちだけでなく、同伴選手も唸らせた。
「いや、実は、先週の4日間、14回バンカーに入って、12回パーセーブできたんですよ。その感覚がはっきりと今日は、反映できました」と嬉しそうに語った。
最終ホールのラフからの第2打で、グリーン左バンカーの奧の傾斜のある深いラフに入ってしまった。「出すだけがやっとでした。弱ければ、またラフからのショットになりかねなかったので、これは最初からピンをオーバーしても仕方ないと決め込んで打ちました…でも、ほんとは、あそこも、左のバンカーでいいと思って打ったんですよ。それが飛びすぎてしまってのミスでした」と川村は、冷静に自分のゴルフを分析していた。
3バーディ・2ボギーの1アンダーパー。飄々としている川村は「まずまずのスタートだと思います。いまの自分ができることを、ともかく落ち着いてやっていくということを心がけています」と語った。

7月の日本アマチュア選手権で、大田和はどうしても「優勝」したいと胸に秘めて挑んだ。下馬評でも、大田和が優勝候補の筆頭だった。ところが、準々決勝まで順調に進んだあとの準決勝で、18ホールを終えてオールスクエアで迎え、19ホール目で権藤紘太に敗れてしまったのだった。
そのときの表情は、いつもの明るい、前向きな表情とは違って、がっくりと肩を落とし落胆を隠せなかった。3位決定戦で、高橋勝と対戦し、3and2で勝ち3位になったけれど、念願の優勝を果たせないでコースを去っていった。
「その後、やはり気持ちが収まらなかったというか、ちょっと立ち直るには、時間がかかりましたね。さあ、頑張ろう、という気持ちが、いまひとつ沸かなかったのも事実です」
1ヶ月後の日本学生。灼熱の太陽のもとで繰り広げられた大会だが、大田和の心は曇ったままであった。
「実は…」と大田和が話し始めた。大田和の父親が闘病していて、なんとかその「父親に日本アマのトロフィを」と胸に秘めていたにも関わらず、その逸る気持ちが空回りしての敗退だったのだろう。さらに大田和に追い打ちをかけるように、日本学生の大会の後、父親が他界(8月31日)してしまった。そんな隠された事情があったのだ。
「でも、結局、父親に恩返しをするには、僕が元気な姿で、いいプレーをすることがいちばんだと思ったんです。自分が、ちゃんとゲームに集中して、いいゴルフをすることが、父がいちばん喜んでくれることだと…」
この日、10番からスタートした大田和は、11番でバーディ。15番でダブルボギー。そして17番でバーディをとり、パープレーで折り返した。
「10番からスタートでしたけど、第1打が左ラフに入って、第2打も5番ウッドで打ったのが(ラフから)出なくて、100ヤードも残ってしまったんです。でも、出だしなのでボギーでも仕方ないと思っていたものが、10メートルほどの距離があったパットがうまく入ってくれたんです。それで、今日はパッティングの調子は悪くないぞ、と自信をもっていけました。このセッティングですから、途中のボギーやダボを打ってもあきらめないでやろうと思っていたら、いい結果出ました」
後半、2番でボギーとしたものの5、6番とバーディとし、1アンダーパーの70にスコアをまとめた。
「今日1日、凄く緊張したラウンドだったんです。それは、尊敬する大先輩の丸山茂樹さんと同じ組だったからです。丸山さんとは緊張してしゃべれなくて、松村(道央)さんも、やはり日大の先輩だし、お二人に胸を借りて、良い雰囲気を作って頂いたので、自分ではやりやすく感じました」
大田和は、今度こそ日本オープンのローアマのタイトルを獲って墓前に飾りたいと思っている。


その他の記事はこちら
戻る