同じ年生まれの石川遼との同組対決第2ラウンドでは、松山英樹の安定したプレーぶりが目立った。10番ホールからのスタートでフロントナインは、同じ2アンダーパーの33。スコアは同じだったが、石川の4バーディ・2ボギーに対して松山は15、16番と連続して奪った2バーディ。効率よくスコアを伸ばしていった。1番ホールにターンしても8番までに3バーディを加えて、ここまでボギーなしのラウンドだった。9番で第3打を「ピッチングウェッジで打つか、アプローチウェッジ(52度)で打つか迷った」末に、ピッチングウェッジを選択してグリーンをオーバーさせてのボギー。これが、この日の最初にして最後のボギーだった。
「このコ
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ースですから1日1個のボギーは仕方がないですし、想定内ではあるのですが、最後のホールというのが、ちょっと口惜しいですね」
終わってみれば、石川に3打差をつけての単独3位につけていた。ホールアウト後には「2日間ではあっても、遼に勝てたのは、うれしいし、自信にもなりました。特にグリーン上の勝負で負けなかったのが大きいと思います」
実は、今年、パッティングに悩んでいたという。パナソニックオープンを終えて、これまでやったことのない「ノーパター・ウィーク」を設けた。1週間、パターを握らないと決めたのだ。
もちろんパッティング練習はできない。そして1週間が経ち、再びパターを手にすると…不思議なことが起きていた。ライン設定で直感が鋭く働くようになり、それを信じてストロークに集中できるようになっていた。
「自分は、もともと直感で決めるタイプだったのに、余計な情報で迷っていたと思いました。そこからは、ずっとパッティングの好調さをキープできています」
ホテルでハプニングがあった。第2ラウンドは、午前7時36分という早いスタート時間に合わせて、松山は午前4時に携帯電話が鳴るように目覚ましをセットしてベッドに入ったはずだった。実際に目覚めたのは午前5時。それも、応援にきている母校・東北福祉大ゴルフ部の監督にホテルの電話で起こされた。
寝坊?
「そうなんです。携帯電話がマナーモードになったままでした。セットした時間がきても、震えているだけじゃ起きられるわけありませんよね。まいりました(笑)」
監督に起こされたのは、池田勇太以来とのことだった。ちょっとユーモラスで大物の雰囲気を漂わせる。5分で用意して駆けつけたコースでは、何事もなかったかのように安定したプレーを展開してみせる。そして、かつてない大ギャラリーに囲まれてのラウンドを「その方が楽しい」と言ってのける。
「残り2日間、これまでの流れを忘れず、1打に集中していきます。目標スコアですか? それは考えていません。いけるところまでいく。そのつもりです」
松山旋風は、まだまだおさまりそうもない。
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