なかなかバーディチャンスを作れない。石川遼は12番を終えて2ボギーとスコアを落としていた。この大会、自分に課したテーマは「1日4バーディをとることだった」と口にしていた。この日は「テーマのクリアどころか、ひとつもバーディを決められないのではないか…と、不安になっていました」
その不安を払拭したのが13番だった。161ヤードのパー3ホール。ショットでようやくバーディチャンスを作り出せた。これをしっかりと決めて「落ち着けた」という。
連日1オンに成功していた15番パー4。この日は、打ち出すラインがわずかに右にずれてグリーン右のバンカーに打ち込んだが、そこから2メートルに寄せて2つ目のバーデ
ィを奪った。これで、15番ホールは3日間ともバーディとした。そして、ボギーが先行したこの日のスコアをイーブンパーに戻し、さらに17番ホールのバーディで、結局前日より1打スコアを伸ばしてのホールアウトとなった。
「ノルマの4バーディにはひとつ届きませんでしたが、アンダーパーにもっていけたのはよかった」と胸をなでおろした後、最終ラウンドに向けての意気込みを明かした。
「トップに5打差ですけど、まったく望みがないわけじゃないと思います。アマチュアの藤本(佳則)さんが5アンダーパーをマークしたように、自分もベストのゴルフができれば、まだかすかにチャンスが残されていると思います。だから諦めません。とにかく明日は、出場している選手の中でベストスコアを出す。それをテーマにプレーします」
最終ラウンドの石川の逆襲に期待しよう。
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