武藤俊憲は、プレー中に独り言をよく言う選手である。呟きながら、自分に言い聞かせたり、分析したり、気持ちの整理をつけたりという風に、つぶやくことが癖になっているらしい。まるで「ツイッター・武藤」だ。
ナイスラウンドでしたね、という記者の質問に「自分では、全然ナイスラウンドに思えないけれど、スコアは良かった…前半はピンチらしいピンチもなかったですし」と言った。前半2バーディ・1ボギーの35。そして後半は、最終ホールの1ボギーと3バーディ。
「自分の中ではもっと(上位のスコアが)伸びると思っていたので、(途中でトップに立ったときでも)あー、トップなんだぐらいしか意識していませんでした。オーロ
ラビジョンで藤田さんが池に入れたシーンが見えて、そこをパーでまとめるあたり、さすがだなぁと感心していました。僕なら完全にボギーですよ。ですから1打ビハインドで勝負ということになると、おそらく僕は負けてしまうっじゃないかな」
それでも、武藤はモチベーションでは負けないと言う。「何故なら、今シーズン、これだけ熱くなれているゲームがなかったので、いまは熱い気持ちでいっぱいですから」と胸の内を明かした。
同じ組には、アマチュアで首位争いをしている松山英樹だった。
「彼はしぶといですね。崩れない。その精神力の強さは、どこから来ているんだろうと思っちゃいましたよ。出だしで彼はちょっともたついて3番でボギー…ここからズルズルと崩れるのかなと思ったら、まったくそんな気配を感じさせない内容でしたからね。僕がデビューしたころとは、全く違いますね。ショットに入る集中力や、その動きのルーティンとか、凄いですよ」
首位と1打差。日本オープンというタイトルを狙う絶好のポジションだ。
「どうしても欲しい、という気持ちが正直な気持ちです。ツアー3勝ではなく、メジャーの日本オープン1勝、ツアー3勝と言われたいですし、いろいろなオプション(全英オープン出場権とか)もありますからね」
明日、武藤のつぶやきが、いいつぶやきになるのか、どうなのか、是非、ツイッターの実況中継で知りたい、と思った。
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