イーブンパーの首位タイに立っていた川崎信廣(筑紫ヶ丘)。最終組の4人全員が優勝争いの緊張からか、どことなくプレーにぎこちなさが見えていたこの日。スタートホールから躓いたのは、川崎だった。1番ホール。ユーティリティーで放ったセカンドショットは、「ラフからで、ヘッドが球の下をくぐってしまって…」右のOBゾーンに消えていった。いきなりのトリプルボギー発進となった川崎は、9番でもボギーを叩いて前半で4ストロークもスコアを落としてしまう。「前半は、少し緊張していたのか、全く身体が動かなくて…」と話す川崎は、後半に入っても11番でバンカーショットのミスから、この日2つ目のトリプルボギー。川崎が本領を発揮したのは、13番でこの日初めてのバーディを奪ってからだった。15番で1メートルのバーディを決めて、首位の大川とは1打差。最少差のまま迎えた最終ホール。川崎は決めればプレーオフとなる1メートルのバーディパットに臨んでいた。「ラインは得意のスライス。距離も短い。これは入ると思った」運命のパットは、「少し力が入って」しまい、無情にもホールの左をすり抜けて行った。最後まで、大川を苦しめた川崎は、負けて悔い無しの表情で、「これがゴルフですよ。仕方が無い。自分にとっては、最高の2日間でした」と、爽やかな笑顔を残してくれた。
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