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【単独トップの室田は「自分のベストを尽くす」】 |
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第2日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi |
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10番ホールからのスタートで前半9ホールは2オーバーパーと苦しんだ室田淳だったが、後半で4バーディを奪ってカムバック。この日2アンダーパー、通算6アンダーパーとスコアを伸ばして単独トップに立った。
前半の苦戦の原因になったのは、ドライバーショットの精度だった。パー3ホールを除く7ホールが全てラフにつかまった。スタートの10番パー4ホール。左ラフからの第2打が、グリーンをヒットしたものの、そのまま転がって奥のラフにまでいってしまった。ここからのアプローチショットを寄せ切れずにボギーにした。このスタートが、室田の気持ちに微妙な影を植え込んだ。
「ラフからのショットをもっと丁寧に打たなければ
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…」と、そう思ったのだという。「もっと、しっかりと距離を合わせて打たなければいけないと感じたんだよね」
結果は、逆に距離のバラつきとなっていった。「ショートしたり、オーバーしたりで、およそバーディチャンスなんて作れなかった。パーをセーブするのに四苦八苦だったからね」。後半にターンして1番ホール。かすかな逆風をついて、ドライバーショットが初めてフェアウェイをとらえた。第2打をピン横1メートルにつけて、これまた初のバーディがきた。これで、室田の気持ちに2度目の変化が兆した。
「2打目がフェアウェイからだったこともあって、しっかりヒットして振り抜けた。で、前半の自分の間違いに気づいた。丁寧に打とうとするあまり、思い切りのよさが欠落してしまったということに。プロゴルファーにとってバーディが最良の薬っていうけど、本当だね。1番のバーディで吹っ切れたから」
その後もドライバーショットはラフに入り続けたが、そのラフからバーディチャンスを次々に手繰り寄せていった。思い切りのよさは、アプローチショットにも現れた。グリーン奥にこぼした6番パー4では、ピンまで13メートルのラフからチップイン(バーディー)も決まった。そして8番パー5ホールはラフからの第2打でグリーンをとらえ、2パットのバーディを奪った。
「前半2オーバーから、後半は2アンダーパーまでもっていけたのだから、まあ、スコア的には満足しなければならないゴルフだったといえるだろうね。正直にいうと、この日本シニアオープンは予選落ちするだろうなって思っていた。それぐらいの調子だったし、レギュラーツアーで打ちのめされていたからね。精神的なダメージもあった。レギュラーでいい成績がでないと、ゴルフが悪くなる。上位にいかないとモチベーションも高まってこない。(レギュラーツアーの)若い選手たちは、アプローチショットでも、パッティングでも、強めにしっかり打ってくる。アプローチショットは入れるつもりでいるし、パッティングはオーバーするのを怖がらない。僕なんか、つい距離を合わせにいってしまうものね。羨ましくなるよ。自分もレギュラーツアーでもうひと花っていう気持ちはある。そのためには、もっと内容をよくしないとね」
そんな思いを抱きながら日本シニアオープンに臨まなければならなかったから、優勝はおろか、予選通過さえ厳しいのでは…と弱気になっていたというのだ。それでいて、第2ラウンドが終わったところで単独トップ。悲願の初優勝もチラつく位置にいる。
「初優勝への手応え? 精神的には、ないね。順位や優勝を意識しないで、1打1打の気持ちを落ち着かせて自分に出来ることのベストを尽くす。それだけだね」
初優勝を意識することがあるとすれば、最終ラウンドのバックナインに入ってからだろう。それまで室田は、ひたすら思い切りのよいゴルフを続けるつもりでいる。
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