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今年の北海道アマを制して本選手権初出場を決めた片岡尚之(シェイクスピア)が1イーグル・6バーディ・4ボギーの4アンダーパー、首位と2打差の6位タイと好スタートを切った。スタートの1番で110ヤードのセカンドショットを52度のウェッジで2メートルにつけてバーディ発進を決めると、続く2番(パー5)でもスコアを伸ばす。5番では2.5メートルのスライスラインをねじ込んで、早々に3アンダーパーにした片岡だったが、「初めての日本アマで、正直すごく緊張していました」と、地に足がついていなかったのが本当のところだった。その緊張がほぐれたのは、6番。8メートルのバーティパットを1.5メートルもオーバーさせてしまい、返しの決めきれず3パットのボギー。“良薬は口に苦し”というが、このボギーが片岡に平常心を取り戻させたという。7番(パー3)では、ティーショットをバンカーに打ち込み、不運にも目玉となって連続ボギー。9番でも4メートルのパーパットを決められず、前半はイーブンパーに終わるが、それが逆に「後半は攻めのプレーをしようと気合を入れ直した」と、発奮材料に変わった。
12番では、185ヤードの2打目を6番アイアンで1メートルにつけて、再びアンダーパーに復帰すると、13番でこの日2つ目のボギーを叩いたものの14番(パー5)でしっかりバーディ。そして迎えた最終盤の17、18番。この2ホールは、「練習ラウンドから、得意だなって感じていて。絶対にバーディは獲れるというイメージしか湧いてこないんです」片岡にとってチャンスホールだという。その言葉通り、17番で7メートルの下りスライスラインをねじ込んでバーディを奪ってみせると、最終18番(パー5)では235ヤードを5番ウッドで見事に2オン。3メートルのスライスラインを読み切って、イーグルフィニッシュで波乱万丈の1日を終えた。
片岡は現在、札幌光星高校の2年生。同校は今年女子ツアーでも活躍している藤田光里を輩出して世に知られている。もう一人、片岡が尊敬する佐藤太地も同校出身だ。片岡が1年生の時に佐藤は最終学年。札幌光星高校への進学を決めたのも、「佐藤太地さんがいたから。佐藤さんから学べるところがたくさんあると思った」からだという。2人がともにゴルフ部で汗を流したのは1年しかないが、この短い時間は、「佐藤さんの試合での心構え。堂々としたプレー振り。切れのあるショット…本当に教わることが多かった」と片岡にとってかけがえのないものとなった。その佐藤も、「片岡はうまいですよ。オールラウンドプレーヤーですね。特にショートゲームは光るものがあります」と一目置いている。今日のラウンドは得意のショートゲームで2度の3パットに悔しさが残るが、「明日は雨の予報もありますが、スコアを落とさないように安定したプレーをしたい。その結果、順位がついてくればいい」と、日本アマ初出場の緊張も解けた堂々たるコメント。次代のナショナルチームメンバーを目指して活動する北海道地区の強化指定選手の一員にも選ばれている俊英が、この日本アマで、その才能を爆発させる。
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