昨年のアジアパシフィックアマチュア選手権で2位となって話題を巻いた長谷川翔平(広島紅葉)は、その経験が自分のゴルフに大きな影響を及ぼしたと言った。
「いろいろな試合に出場させていただいて、アジアンアマとか海外の試合を経験して、飛距離がいると感じました。それにパッティングの上手さや、ショートゲーム。パットはもともと得意なんですが、練習量を増やしました。どんな試合でもパットがすごく大事なので、どういうときでも投げないという姿勢。ショートゲームは得意なほうですけど、取りこぼしを少なくしていきたいと感じました」。
4アンダーパーの68。そのスコアに自分としては合格点をあげていた。「まぁまぁ…い
いゴルフができました。第1ラウンドなので一生懸命がんばらず、楽してやっていました。前半入ったと思ったパットがカップに蹴られたのが3、4回ありました。流れを悪くしたくないので、楽に、というふうにやっていました」。
楽にという言葉の意味合いは難しいけれど、いわば、気負わず、焦らず、心懸かりせず、図に乗らず、やきもきしないで視野と余裕の空間を広くしてプレーすることなのだと思う。
長谷川のゴルフにそんな気持ちを追い詰めないノリシロが生まれたのは、藤田寛之の影響がある。一昨年だったか、なにかの試合で一緒にプレーしてから長谷川が藤田を慕っていくようになった。それ以来「試合に出るときは藤田寛之さんと一緒に練習ラウンドをさせていただいたりしています。(藤田さんの)その向上心、ゴルフに向かう姿勢がすごい。うまい人は意識が高い。静岡で合宿とかトレーニングにも参加させていただいています」と語った。
そんな長谷川と同じく4アンダーパーの68で回った小浦和也(宮崎国際空港)も、この1年の間にゴルフ感が太くなった気がする。ともに1993年生まれで、ちょうど肉体的にも精神的にも成長期。その進化の進行形の中で、まるでスポンジのように吸いとる吸収力が垣間見れる。それが余裕というか、焦りにつなげないゲームを見せてくれている。
小浦の場合は、ナショナルチームに入ったことが成長を助長した。「去年より変な感じなく落ち着いてやれている。去年はあせっていたような気がする。ナショナルチームに入って、方針とかスコア入力とかトレーニングも考えながら、わからないところは聞いてやっています。結果がついてくれば、それが間違っていなかったということになると思っていますから」と言う。
長谷川は、5バーディ・1ボギーの68。小浦は、6バーディ・1ダブルボギーの68。小浦は「ダブルボギーはちょっともったいなかったけれど、(後半)12番ホールくらいからドライバーショットがぶれていたので、ずっと耐えていたので、ボギー、ボギーとなるよりはダブルボギー1つでよかったと思っています」と語る。昨年の日本オープンのローアマチュアのあと、今回の日本アマのタイトルを獲りたいのでは?という質問に「ありますけど、それはあまり出さないように内に秘めて、です。1日1日を集中してやって、結果がついてくればいいと思っています」。
この2人の動向が、今年の日本アマの流れを変えるかも知れない。=
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