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昨年大会ベスト8の松本将太(東北福祉大)が、地元の利府ゴルフ倶楽部でコースレコードタイとなる66の6アンダーパーをマークする会心のプレーを見せた。松本は、前半24組がほぼプレーを終えた時点でのスコア速報で、首位の幡地隆寛を筆頭にアンダーパーでホールアウトした選手が続出していたのを見て、「最低でも1アンダーパーではプレーしたい」と1番ホールをティーオフした。そのスタートホールで7メートルのフックラインを決めてバーディを先行させると、「この距離を決められて、気持ちが楽になった」と、2番(パー5)ではアプローチを1メートルに寄せて連続バーディ。「これで波に乗れた」松本は、得意のパッティングが冴えわたる。5番では8メートルのフックライン、8番(パー5)でもきっちりスコアを伸ばし、前半を4バーディ・1ボギーの3アンダーパーで終える。
スコアを伸ばすにつれ徐々にティーショットも安定しだすと、後半は11番(パー3)を5番アイアンで5メートルにつけてフックラインを沈め、12番ではまたもや7メートルのフックラインをホールに沈めてみせた。13番はこの日2つ目のボギーを喫したが、残り2つのパー5でも着実にバーディを奪った圧巻のプレーは、同伴競技者でともに66をマークした比嘉をして「松本さんについていこう」と思わせるほどのものだった。昨年大会でも光ったショートゲームは、この日も冴えに冴え、グリーン上でパットを打てば入るマジックを見せられているようだった。
首位タイに踊りでた松本は、実家が利府ゴルフ倶楽部から20分ほどの距離という。いわば庭ともいえる利府ゴルフ倶楽部だが「得意ではないです」と、好スコアに半分笑顔、半分戸惑いの表情を見せる。2010年の冬、翌年の日本アマ開催を見据えて利府ゴルフ倶楽部で練習ラウンドを行った松本は、「パー3の距離が長いし、あまり良いスコアも出なかった記憶があります」と、当時を振り返る。そんな松本は、「明日は雨予報もありますし、今日のスコアは貯金が出来たと思うことにします」と謙遜する。
初出場でベスト8となった昨年を「出来すぎでした」と苦笑いで話す松本。「とりあえず、今年はマッチプレー進出を目標にしています」そう温和な表情で語るが、昨年大会で久志岡俊海と対戦したマッチプレー2回戦では、3downを喫しながらも最終ホールで追いつき、19ホール目で逆転の殊勲をあげている。物腰柔らかい口調からは想像できない粘りのゴルフと、誰もが羨むパッティングで、松本が今年も台風の目となりそうだ。
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