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午後スタートの比嘉一貴(日本パブリック協会)と松本将太(東北福祉大)は、同じ東北福祉大で同じ年。松本は2月24日生まれの早生まれで、比嘉が4月23日生まれだから学年では、比嘉が後輩になる。そして、この日のスコアも6アンダーパー、ともに66。クオリファイング第1ラウンドを終えて首位タイで並んだ。
「松本選手は、ともかく長い距離のパッティングを先にポンポンと入れてくるんですよ。8メートルとかね。だから引っ張られたというよりも、ともかく付いて行けばなんとかなるだろうという感じでした。向こうは8バーディ(2ボギー)。僕は6バーディですから…」とはにかむような表情で静かに語った。
比嘉は、もともと温和しい性格だ。けれども比嘉のゴルフは、とても粘り強い。一昨年の日本アマでランナーアップとなった。そのときのコメントを思い出す。
「自分では、メンタル面の弱さがあると思うので、敢えて、もう、嫌だ、と思ったら、そこから、1歩でも2歩でも、先に行こうと…。特別なトレーニングとかはしませんでしたけど、例えば、部活のランニングでも、みんなが2キロ走るなら、自分は4キロ走ろうと…。ともかく自分を虐めてやろうと…」と語っていた。それが高校生のときである。
大学に進学した比嘉は、以前よりも筋力や体幹が太くなった感じがする。でも、比嘉のコメントは、どこかネガティブなのだ。それも彼の性格のなせる技かもしれない。
「いつもは第1ラウンドのスコアがよくなくて、そこから踏ん張って追い上げていくタイプなんですよ。でも今回は、逆のパターンでしょう? こういうのって自分としては、負けるパターンなのかなぁ。まあ、気にせずにやりますけどね(笑)」どこからどこまでが本心か解らない。なぜなら、そのコメントのあとで「日本オープンに出場できるのって、何位でしたっけ? メダリストだけ?」と聞く。メダリストとベスト4ですよ、と答えると「いや、とりあえずの目標としてメダリスト狙います」と言い出す。
この日のゲームを振り返って「入らないようなパットが1回(5番ホールで10メートル)入って、入れてもいいパットを2回(6番、11番ホールでいずれも2メートルのバーディパットを)外した。五分五分ですかね。ラッキーもあったし、スコア的には満足しています。フェアウェイキープ率が良くないので不安ですが、グリーンを外しても寄せやすいところに外しているので、いい距離のパーパットが入っています」と明るい表情に変わった。
この日、前半4バーディ。後半が2バーディの66。「後半10番でバーディをとって、ずっとパーで凌いできて、18番でイーグル外しのバーディがとれたので明日に繋がると思っています。ショットはいい感じはしない。アイアンショットがあまり…。2週間前にピークが来ちゃったんですよ。でも、気持ちを入れすぎないように、明日のホールロケーションにもよりますが、攻めるところは攻めて、パーを獲りに行くところとメリハリをつけてやりたいですね」と、もちろん優勝を視野に入れた発言だった。=
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