クオリファイング第1ラウンドで66のコースレコードタイを叩き出し、松本将汰とともに首位タイに立った比嘉一貴(日本パブリック協会)。「メダリストを目標にしていた」第2ラウンドは、10番ホールの出だしから連続バーディの攻めのプレーでスタートした。14番(パー5)でもバーディを奪った比嘉。一方の松本が13番でハザードに打ち込みダブルボギーを喫して、2人の差が広がり「一息つけた」比嘉。それに加え、7番で本選手権初のボギーが逆に「このボギーで力みは消えた」と感じていた。しかし、チャンスホールの18番を獲れなかった比嘉は、前半を終えて目前のライバルと3打差をつけながら、嫌な流れに飲み込まれていた。折り返し
の1番。3番ウッドのティーショットが左に曲がって深いラフに打ち込むと、アプローチも寄せきれずダブルボギーを叩いてしまう。このホールでバーディを奪った松本と同スコアに並ばれた比嘉だが、ここは2012年大会のランナーアップの強者。「すぐに気持ちを切り替えられた」と直後の2番(パー5)でグリーンサイドのバンカーからチップイン・イーグルを奪って、松本につけ入る隙を与えない。3番、6番でバーディを奪った比嘉は、通算10アンダーパーで最終ホールを迎えた。
435ヤードのパー4。9番ホールは、比嘉も無難にパーで締める目算だった。ティーショットをバンカーに打ち込むと、2打目は安全にグリーンセンター狙いで10メートルにオン。ここまでは、比嘉の作戦通りだったが、ファーストパットが「寄ったな」という手ごたえとは裏腹に2メートルもオーバー。返しも外して、「予想外だった」というボギーフィニッシュ。これで、比嘉は通算9アンダーパー。「もしメダリストを獲れたら、メダリストは優勝できないというジンクスを打ち破りたい」と息巻いていたが、予想外のボギーが、メダリストの栄誉と比嘉の野望、さらには日本オープン出場権までも、霧散させるとは夢にも思わなかっただろう。
第1ラウンドで2打差の6位タイにつけていた松原大輔がこの日7バーディ・1ボギーの66をマークして通算10アンダーパーで比嘉を逆転してメダリストに輝いた。
メダリストのジンクスを破ることはできなかった比嘉だが、挫けてはいられない。2012年大会を上回る優勝の二文字を目指して、明日のマッチプレー1回戦は、亀代順哉と対戦する。
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