今年の四国アマチュアゴルフ選手権で2位に入賞し、悲願の日本アマ初出場を決めた大野由真(四国アマ)が、1回戦で篠優希(川越)を3and1、2回戦は幡地隆寛(東北福祉大)を2and1の接戦で下して準々決勝進出を決めた。
「初対面の方には、高校生と間違われることが殆どなんです」と21歳とは思えない童顔の大野。しかし、その優しい風貌からは想像もつかない波乱万丈なゴルフ人生を歩んできている。関西学院大学に進学するも、思うところがあって中退を決断した大野は、地元高知県に帰って、練習を積んでいた。だが、所属倶楽部が倒産し、思ったような練習環境が整わなかった大野は今年、マレーシアに練習の場を求めたという
。
「マレーシアでゴルフ漬けの生活を送ってきました。ラウンド練習もたくさんできたし、合宿のようでしたね。それに現地の試合に出場して試合勘を培って」日本アマ出場を目指してきた。今年の四国アマから日本アマに出場できる人数枠は、6名。狭い門だ。大野は今年の四国アマで2位に入り、ようやく日本アマへの切符を掴んだ。「大変でしたが、マレーシア合宿の効果が四国アマで出て。日本アマもここまで来れて、出来過ぎです」と話して見せる笑顔は、よけいに年若く見える。
本来、大野は「ショットメーカーなんです。確実にパーオンするようにショットを磨いてきて、パーオンできればバーディを狙う。パーオンできなければ、ボギー…そんなプレーなんです」というが、マッチプレーではショートゲームで凌ぎ、相手のミスを待つ作戦を取った。「自分からボギーを叩かないように。マッチプレーではあえてパーを拾ってというしぶといゴルフをしようと決めてきた」戦略は、「1、2回戦とも相手が自滅してくれて勝てました」と見事にはまった。
明日の準々決勝は、ベスト4と今年の日本オープンゴルフ選手権の出場資格獲得がかかる大一番。その相手が、絶好調の古田幸希に決まり、「いやいや。僕の実力では、ここまでが出来過ぎで。自分のゴルフをして粘れれば、充分です」と欲は見せないが、その心の裡には勝利への強い渇望もある。「自分が良い成績を残せば、四国アマから日本アマに出場できる人数枠も増えると。四国のみんなも応援してくれていると思うし、そのために…」大野は、ここまで自分を支えてくれてきた人たちの姿を思い浮かべながら、明日の準々決勝を戦う。
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