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競技報告
【2回戦注目のマッチ。井関と比嘉の対戦は、期待通りの好試合に】
第3日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
比嘉一貴
井関剛義(交野)は、顔をクシャクシャにしながら悔しがっていた。今年の日本アマのマッチプレー進出32名で、社会人は井関と福岡康文(芦原)のふたりだけだった。福岡は、1回戦で敗れ井関だけが2回戦進出を果たした。そこで対戦したのが比嘉一貴(日本パブリック協会)である。比嘉は、2011年大会、初出場でベスト8に残っている。当時16歳。そして翌年17歳でランナーアップに輝いた。優勝したのは小袋秀人だった。昨年はベスト32に留まったけれど、今年は東北福祉大ゴルフ部に入って見るからに筋力がついてきた感じがする。彼のゴルフは、極めて粘っこい。諦めるという言葉を知らないほどである。その比嘉と井関のマッチは、両者
井関剛義
譲らずの熱戦だった。

「言葉はおかしいですけど、比嘉くんのゴルフは学生らしくないですね。まずボギーを打たない。そしてゲームのつくりかたも、最初は序章で気負わずに慣らして、徐々にペースを運んで、上がり4ホールで攻めのゴルフに移るという感じでした。3、4ホール回っていて、今日の比嘉くんはドライバーの調子が悪いんだな、ということはすぐに解りました。それでもリカバリーがうまいので、ボギーを叩かない」。

先に1upしたのは井関だった。その2番が終わって、4、5、7番と比嘉が奪いあっというまに井関は2down。井関も諦めない。8、9番と奪ってオールスクウェアに戻した。そして12番で比嘉が奪って1upとし、井関が追いかける。そして井関は1downのまま5ホールを分けあって18番の1ホールへと追い詰められた。

井関は1970年10月15日生まれ。誕生日がくれば44歳になる。日本アマ初出場は1995年。比嘉が生まれた年だ。井関の競技生活でのハイライトは、1999年関西オープン優勝、2000年の日本アマでのセミファイナリスト。そして2005年日本ミッドアマ優勝、関西アマ優勝などである。一時、教師の経験もあるが、ゴルフが忘れられずにゴルフ場に転職した経歴もある。いまはサラリーマン。「月に2回ぐらいのペースで、週末にホームコース(交野カントリー倶楽部)でプレーする程度なんですよ。え? 練習場?うーん、5年ぐらい行っていないかなぁ」と豪快に笑う。

昨年の日本ミッドアマで3位タイ。今年の関西アマで15位という成績だった。
「今年、関西オープンに出場したんです(予選落ち)。そのとき、藤本(佳則)と大堀(裕次郎)と練習ラウンドしたんですけど、彼らのパッティングのリズムがよくて、それを取り入れたら、かなりよくなってきたんです」と若い選手から吸収することも忘れない。
巨漢で現在103キロある。「日本アマに出る前には105キロあったんですよ。2キロ落ちました(笑)。でも、2年前に24キロ減量したんですよ。そしたら、飛距離が30ヤード落ちて、しかもアプローチも寄らなくなったんです。しかも膝が痛くなったんです。急激な減量の後遺症だったのかも知れません。医師と相談して、もう少し増やしたほうがいいということでいまの体重をキープしています」それでも、年齢的にも体格的にも、1日18ホールのマッチを2回繰り返す1、2回戦は過酷だったのかも知れない。

「いや、悔しいです。勝てる流れはあったんです。その流れを自分の力量で手に入れることができなかった。その悔しさですね」18番、比嘉がしっかりと獲って2upでゲームは終わった。確かに、井関は惜しかった。この日の比嘉につけ入る隙があったからだ。比嘉は、こう言った。「(自分の)ショットが荒れていて、バーディチャンスにつけられず、ついてもパットが入らなかった。1バーディ・1ボギーでした。苦しい一日でした。朝のドライビングレンジでつかまりすぎたり、ぬけちゃったりとスウィングは変えていないんですけど、雨の影響もあるのか、よくなかったが、気にしていなかった。1回戦の上がり2ホール(16、17番)で低い球を打つようにして、ドライバーも安定してきた。ただ雨でランが出ないので距離が出なくて、距離か方向性をとるかを、2回戦でもティーショットで使い分けた。今日みたいなゴルフでは(明日以降)勝てない。疲れが徐々に出てきているので、休息をしっかりとって、スウィングの調整をしたい。相手のミスを待つ我慢我慢のゴルフでした」。

井関は、比嘉のゴルフについてこう語った。「彼の心の強さが学生らしくないですね。根性がある。最近の学生ゴルファーの中では、ひと味違いますね」。

43歳266日の井関剛義の夏が終わった。

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