ともに初めてマッチプレーに進出した片岡尚之(シェイクスピア)と葛城史馬(中津)。昨日の1、2回戦で勝利をおさめ、準々決勝に駒を進めたが、両者とも経験豊富な大学生に屈し、ベスト4で日本アマを終えた。
札幌光星高校2年の片岡は、2012年大会ランナーアップでJGAナショナルチームメンバーとしても活躍している比嘉一貴との対戦。片岡は1番でバーディを奪い、幸先よく1upとした、すぐに比嘉に追いつかれると、前半9ホールで比嘉に4upまで差を広げられる。しかし、ここから片岡が非凡さを示す。「比嘉さんのスウィングを見て、自分のバックスウィングにゆるみが出ていることに気がついたんです」。この発見が、片岡のシ
ョットを見違えるように変える。11番からショットが目に見えて安定し始めた片岡は、12番をバーディとすると、14番から3連続バーディで一気にオールスクウェアと比嘉を追い詰めた。流れの潮目が変わったかと思われた18番。しかし、ここで片岡は痛恨のミスを起こす。ティーショットは右のラフ。グリーン手前の60ヤード地点にレイアップしたまでは計算通り。残りは片岡が得意とするショートゲーム。しかし、このアプローチを7メートルと寄せきれず、逆に比嘉が2メートルに寄せてきた。片岡がパーに終わると、比嘉が確実にこのパットを決めて決着。片岡はベスト8に終わった。
大金星を目前に敗れた片岡は悔しさを隠せないが、「初めてのマッチプレーは、楽しかった。昨日の2試合は自分が先にリードして、追い上げられる気持ちを味わえて。今日は、逆に追い上げる立場になって…両方とも経験出来て良かったです。追い上げるのは守りに入りたくなるので、追い上げる方が頑張ろうと思えて良いですね。バーディを獲るだけですから」と、この2日間を心から楽しめたよう。「比嘉さんを見て、まだ自分には不足している部分が目立ちました。北海道は冬の間、プレーできませんが、その間に体力トレーニングをしっかりやって。冬にゴルフが出来ないことをチャンスと思ってトレーニングを頑張って、来年は実力をつけてきたいです」と、来年の雪辱を心に誓った。
一方の葛城は、石徳俊樹に8and7の大差をつけられてしまった。「悔しいです。石徳さんが凄いプレーをしていて…自分の実力不足です。負けても仕方がありません。石徳さんはグリーンを外してもアプローチで寄せてパーをセーブしていく。今日は自分のショットも左にミスが出て…特にロングアイアンの精度が悪かったです。出だしからリードを広げられても、焦りはなかったと思うのですが、自分でも気が付かないうちに焦っていたのかもしれません…」と、2011年大会ベスト8となった石徳の実力を賞賛し、潔く負けを認めた。葛城も片岡同様、このマッチプレーで貴重な経験を積むことが出来たという。「日本アマの経験を次戦に活かして、優勝を狙いたい」と力強く語った。
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